NOVO COMPLETE

【本日の一枚】

NOVO / NOVO COMPLETE (2003)

complete

白い森


和製セルメンとか和製トリステ・ジャネイロなんても呼ばれる幻のグループ。‘72〜’73年にかけてのレコーディング。中心となっているのはKEVYN LETTAUのアルバム・プロデュースなどで有名な横倉 裕(Yutaka Yokokura)さん。アルバム分のトラックをレコーディングしていたんだけど、先行シングル2枚の不振によりお蔵入りになったというもの。よく発掘されましたよねえ〜。小型のBookletもGoodです。

音は日本語ベースのボッサ・ポップ・サウンドなどなど。アメリカ人/日本人の女性ヴォーカルがなんともマッチしています。(特にアメリカ人ダイアン・シルバーソンのたどたどしい日本語が素敵です。)

既発音源のリマスターものである軽やかなボッサスタイルのポップソング#1“白い森”は今聴くと、現代でも十分通用しそうな勢いと繊細なメロディ・ラインを持っていると思うんですが、どうでしょうか。(個人的にはアルバムバージョンの方が好きです)続く軽快なサンバ・トラック#2“SAMBA DO COMEGO”に続くというラインも秀逸。Carly Simonの“That’s The Way I’ve Always Heard It Should Be”のアレンジバージョンである、#3“幸福のノクターン”は、エレピにメロディを乗せた分、レトロ感が原曲(生ピアノベース)とはまた違った趣で滲み出ていてそれがメロディのポップ感を増幅させている気がします。ナイスなアレンジです。#4“この星の上で”(既発音源のリマスターもの)や#6“翔ける愛の翼”もですが、初めて聴いた人なら、現代のアーティストの作品といっても驚かないのでは?それぐらい洗練されたボッサですね。

70年代という時代にフォークミュージックや歌謡曲ベースからのアプローチの比重を押さえ、あくまでもブラジリアン・グルーヴをその中心に備えた音を追求したことは驚きであり、よくぞ今の時代に発掘してくれた!という感謝の念でいっぱいになります。普通は「これで英語で歌っていればなあ〜」という感想をもつ場合が多いんですが、これに関しては「よくぞ日本語で決めた!」という思いにかられるのは何故でしょう。それだけスタイルが突出したオリジナリティを確立しているということなのでしょうか?小西康陽orange pekoeの面々が大絶賛しているのも納得。
中心メンバーの横倉裕さんはこの後、アメリカに渡り以下のようなアルバムをリリースしています。

Yutaka Yokokura/love light (1978)
YUTAKA (1988)・・・GRPの全面バックアップ。全米デビュー作。
YUTAKA/brazasia (1990)
YUTAKA/another sun (1993)


Yutaka Yokokura / from『BRAZASIA』

これ以後の活動の噂は知らないのですが、現在は何をなさっているのでしょう?非常に才能を感じる方なので、何らかの形で表舞台に出てきて欲しいです。

余談ですが、ダイアン・シルバーソン、綺麗です(笑)。


【到着】
◆McGuinn, Clark & Hillman / S.T.・・・オリジナル・バーズのメンバーによるプロジェクト。余裕綽々のプレイ。
OCEANLANE / +CROSSROAD・・・・4th。買って正解。個人的には彼らの最高傑作かも。
◆INNUENDO / Three・・・前2作と比較するとかなり軽め。CROWDED HOUSEみたいな感じか。
◆TALL STORIES / Skyscraper・・・新作。誰が何と言おうと、この路線でやっていくのが『彼』には一番。音楽性はともかくとして・・。
◆441 / Sacrifice・・・CCM。彼ら唯一の作品。Broken Recordsより。下のLINKは収録曲“Beautiful Places”のもの。


◆Doug Randle / Songs For The New Industrial State
◆Double Cross / time after time・・・イギリスのメロハー。1st。B級ぽくて好き。下参照。

◆Sedona / Golden Valley (Zip Fileにて) Thanks, Patrick!
などなど