Heaven's Gold

朝から精力的に用事をこなし、午後はゆったりこの一枚を・・・。Happy Birthday、俺。

【本日の一枚】

Heaven’s Gold Bruce Hibbard Collection (2008)


Heaven's Gold

“Heaven’s Gold”・・・このタイトルを最初に聴いた時、何故か胸に迫るものを感じました。AOR/CCMのファンならばこの名前を知らない人はいないだろう、彼Bruce Hibbardの2000年『Time Waits』に続く第4弾です。本作も『Time Waits』から自らのレーベルであるVIZOR MUSICからのリリース。ナッシュビルから拠点をソルトレイクシティに移し、お医者さんである奥さんも音楽的に種々のバックアップ(ソングライティングやバック・ボーカル)をしてくれているようです。

もう一つ、タイトルを見たときに気になったのが『Collection』の文字。当初全貌が見えなかった時は、「BEST盤に新録?」的な推測も成り立ち、ちょっとガッカリした気分にもなったのですが、蓋を開けてみて安心。#7“Treasure”のような’82年に作られた曲がある傍ら’08年の曲もあるということで「CCMというジャンルの中で新旧絡めた作品」という位置づけらしいです。前作は確かに良い作品でしたが、POP/JAZZ的な要素がBruceにしては強く、作品のベクトルが初期2作とは若干異なっている印象を受けていました。

そんなこんなで本作を何度か繰り返し聴いているのですが、『Collection』と言う事で昔風(初期2作風の延長線上)の極上AOR曲も入っていますが、やはり以前の彼にはなかった味を持った「新しい風」が吹いている雰囲気の曲もあるのは否めません。どこか洗練されちゃった音?とでもいうのでしょうか、『Never Turnin' Back』のジャケットが表しているようなちょっと「憂い」や「見えない希望」を感じる世界(うまく表現できんのです、はい)、そんなものが少なくなったなあと。(The Treasureなんかはさすがに'82年に書かれただけあって、サビの後半なんか絶品ですけどね)そういう点では『Time Waits』におけるアプローチは彼にとってなくてはならない通過点であったのでしょう。しかしながら新旧交じりあったこの新しい魅力が、再びCCMを自らの音楽に中心に据えた彼の「やる気」を後押ししているように思えて仕方ありません。

もちろん全曲オススメ(これは間違いない!)なのですが、#5“Build My House”、そして娘さんの早すぎる死にインスパイアされたタイトル・トラック#2“Heaven’s Gold”、そしてこれぞ個人的ベストトラック#8“Don't Surrender”(これなんかはBruce印満点!ではないですか?)などでしょうか。

3面デジパックに美しいジャケット・デザインと外装にも凝った本作、後々まで語り継がれる「名作」かは分かりませんが、Bruce Hibbardという1アーティストの新たな出発を記念する作品になるのでは・・そんな気持で繰り返しかけ続けております。日本盤(輸入盤に解説書付)も買おうかなあ・・。

◆HP: http://brucehibbard.com/