SURROUNDED

【本日の一枚】Laurence Elder / SURROUNDED (2005)
LAURENCE ELDER: Surrounded
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 一見ジャズ・ピアニストのインスト!?と思うかもしれませんが、100%歌モノ。ジャジーでPOPでブルージーな魅力がたくさん詰まった好盤です。現在はマイアミに拠点を置いての音楽活動を展開しているようです。(彼からのE-mailには「マイアミでのライブに来い!」と毎回書かれます(苦笑)毎回マイアミじゃないと思うんだけど・・)そんな彼のデビュー作に当たるのが本作です。

 イントロのピアノがどことなく、ウィンダム・ヒル・レーベル的な(もっと突き詰めるとGeorge Winston的というか・・)フレーズのような印象を受ける#1“Surrounded By You”。もうこれを聴いた瞬間にハマル人は彼の虜になるのでは?そこからスタンダードナンバーにはない動き(笑)を各パートが見せるジャジーなナンバー#2“Manhattan”へ。ピアノの歯切れの良いバッキングに乗るソプラノ・サックスがアバンギャルドな雰囲気を醸しだしています。続く#3“The Ocean”はどことなく、ニューエイジ系の音楽を彷彿させる浮遊感が魅力的。#4“Going Home”には俗に言う一般的な意味での(日本での)AOR的な香りもちらほらと。ジャジーなPOPが好きという人にはこのぐらいが丁度良いのかな?(ちなみに彼と比較されるミュージシャンはドナルド・フェイゲンブルース・ホーンズビー、スティング、ジョニ・ミッチェルなどと幅が広いです)さらに、フレットレス・ベースが効果的なスローナンバー#5“Wrong”、#6“The Fall”は・・・実はとっつき易い音・・・なんでしょうが・・・コメントできない自分が歯痒いですわ。何て表現して良いのか・・ごめんなさい。その他ギターのカッティングに加えて、ピアノの嬉しくなっちゃうバッキングと絶妙なコード進行がすごく心地良い#7“So Easy”、歌詞を聴いていて最終的な部分でどんでん返しを食らった(笑)#8“Sing My Name”、彼のブルージーな魅力の一面が垣間見れる#9“Mind Has A Mind”、爽やかさ溢れる#10“Wonder”、ピアノでしっとりと聴かせるラストナンバー“Rocket Man”という構成。(“Rocket Man”はBonus Trackなので実質“Wonder”がラスト。実際その方がタイトな感が残ったかも。)

 がっつりAOR、もしくはがっつりJazzが聴きたい人向けとは呼べないと思いますが、前述したように、ジャジーなPOP、もしくはAOR、そこいら辺がツボなのよ!という方にはピッタリなアーティストではないでしょうか?

 高い技術力の中にしっかりとポップな側面と自らのルーツ・ミュージックを残した曲作りをしているのが何とも凄いミュージシャンです。昨年日本盤がP−ヴァインから出ると聴いたときは、驚き・納得の両方の気持が出たものでした。


※日本盤はこちらよりどうぞ。サラウンデッド

◆HP: http://www.laurenceelder.com
MYSPACE: http://www.myspace.com/laurenceelder