No Truer Words

【本日の一枚】Mark Portmann / No Truer Words (1997)
No Truer Words

リッピントンズ(LAのフュージョン・バンド)の2作での活躍が有名なキーボーディストのソロ。叙情的で表情豊かなポップフレーバー満載のメロディが彼本来のルーツ:ピアノに乗ってやってきます。このアルバムにはAORファンにもオススメできるゲストも多数参加しています。(Michael Thompson(Gr.)、Marty Walsh (Gr.)(Randy Crawfordの“Wild Song”に参加)、Bernie Dresel(Dr.)(Brian WilsonのCDへの参加など)、Ricky Lawson(Dr.)、Warren Wiebe (Vo.)、Bill Champlin (Vo.)、Marilyn Scott (Vo.)、Joseph Williams (Vo.)など)

8曲の インスト・ナンバーと3曲のボーカル・チューンから成るこのアルバム。アーバンな雰囲気が良い#1、小気味良いSaxをフューチュアしたファンキーな#2、ゴスペル、ジャズ、R&Bの要素を上手に詰め込んだTour de forceなLorri PerryがVo.の#3(Vo.が引っ込み気味なのは意識的なのか?それによって神秘的な雰囲気が増幅してます)と続きます。さらにSteve GrovesのSaxが#2とは別の一面を見せるスムース・ジャズ・テイストの#4、Vo.を乗せても良かった?暖かいメロディのスローナンバー#5、4HIMなんかにも通じそうなBill ChamplinがVo.のナンバー#6(バックコーラスには私の最近のお気に入りのMarilyn ScottJoseph Williamsが参加)、これまたSteve GrovesのSaxが叙情的に迫る#7、“Michi”と題されたスムース・ジャズ・ナンバー#8(これは「道」なんですかね?)、そして御大Warren Wiebeをフィーチュアしたミドルテンポ・ナンバー#9(コンテンポラリー・ジャズの素晴らしいグルーブとPopスタイルが絶妙なブレンド具合を見せてくれてます)、実は個人的には一番メロディが気に入っている#10(リッピントンズっぽい雰囲気もちらほらと・・・)、エンディングはMark自身のピアノ・ソロで締めくくり(#12)という構成。

5歳からピアノを始めたというMark。8歳になる頃にはクラシック・ピアノ曲がレパートリーであり、いくつか賞も受賞しています。その後ジャズやポップに触れた彼はその方向へシフトし、最終的にはNew YorkのEastman School of Musicの奨学生にまでなります。そこでオーケストレーションや作曲法を学んだようです。マイアミ大へ進学した彼は多くのセッションに参加し、60000人の観客の前でプレイするという機会にも恵まれました。確かな技術と経験に支えられて1988年LAに本拠地を移した後は、リッピントンズに参加し、後は周知の通り。かのデビット・フォスターは彼の長年の「夢」だったのですが、Barbra Streisandのカムバック・リリースにあたる“BACK TO BROADWAY”のアレンジを担当したことでデビットにも認められ、それは他のアーティストからの数多くの依頼という形でも実現しました。ここまでの経験と技術の結晶がこのソロアルバムなのでしょう。

デビッド・フォスター自身もMarkを次世代のこの業界の牽引者だという言い方をしていますし、実際問題、後継者だなどと騒がれていましたが、最近の様子はどうなんでしょう。Zebra Recordsはどうやら閉鎖したようです(カタログで既に廃盤になった盤もチラホラ)ので、近いうちに廃盤必至か?(その他のSolo Album『Driving Beberly Hills』『Westside』はCD Babyさんで購入できます)
Highly Recommended!!

ROADMUSIC FEATURING MARK PORTMANN: Driving Beverly HillsMARK PORTMANN: Westside
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※『Westside』は廃盤のようです。