REUNITED

KIYOTAKA SUGIYAMA MEETS TETSUJI HAYASHI

/ REUNITED (2011)


Paradise


お久しぶりです。相変わらずの忙しさに加え、何となく書くという作業が億劫になり、ついついそのまま放置プレイ。音には継続して触れていたし、喜びも多かった(岩崎元是&WINDYの『The all songs of WINDY』にはビックリしたし、ミルキー・ウェイの『サマータイム・ラブ・ソング』はこの夏手放せない予感があるし、良質のコンピの『MELLOWGROOVE』の続編の出来にも大満足。さらにはマリーナ・ショウやノーマン・コナーズなんていう通好みなものまで出てくるし、THE WATERSの『WATERCOLORS』は特にうれしいCD化であった。などなど)んですがね。

さて、今日は購入をしておきながらひっそりと眠っていた・・・というかほとんど聴いていなかった一枚を。

巨匠とベテランのコラボということで、予定調和な出来かと思いきや、やはり時代は流れている。
良い意味でライトな感覚のポップソングが詰まっている。
オメガ時代のサビのようなちょっとした「重さ」というのは、やはりあの当時だからこその物であり、今の彼に求めるものではなさそう。

なんて書いてたら、どうやらこの二人のコラボのベストが出ているよう。このアルバムからも選曲されて全曲解説付きらしい。

desafio de viola

【本日の一枚】

TECA & RICARDO / desafio de viola(1978)


Brazilissimo

ブラジル出身の男女ギターデュオ、テカ&ヒカルド(Teca & Ricardo)が渡仏後にリリースした作品。気持ちよさそうに歌うテカの歌、そしてアクースティックギターや数々のパーカッションが静かにスムーズに流れ行く。

トラディッショナルながらも深みにはまることなく、洗練された印象を与えるのはやはり絶妙なグルーヴ感のなせる業か?どこかプログレっぽさも感じさせる展開は、はるかかなたに広がる想像すら陳腐なイメージしか作り得ないような巨大な土地を想起させてやまない。

超絶サンバの#6“GALAXIE”、浮遊感がプラスされた#9“BANDA ORIENTAL”などのダンサブルなチューンが分かりやすく聴きやすいが、小技の聴いた#10“TROPECO”や透明感溢れるテカの歌がアクセントになっているアクースティック・スロー・チューン#11“PLUIE D'ETE”や切なさが迸るアクースティック・ギターとメロディラインの攻防が見事な#1“DESAFIO”などもオススメ。


決して派手さはない作品だが、フレンチ・ブラジリアンの良品と言えるのでは?

GALAXIE

Story of A Woman

【本日の一枚】

STEFAN OLOFSSON / STORY OF A WOMAN (2003)


Lone Spirit

Swedenの北部Umea出身のSSW, Pianist, Bassist, ArrangerのDebut作品。Exprimental / Jazz / Pop。AOR FanにはState Cowsの彼と言ったほうが良いかも。しかしながら、State Cowsを念頭において聴くと失望すること必至。

オープニングの#1“Bifrost”は、Jan JohanssonやChick Coreaにインスパイアされて出来たFolk/Jazz のpiano小品。これがトップにあることがこのアルバムの色を決定付けてしまっている。ある意味残念。
続く#2,3“Overture / Good Intentions”は明らかにELOの影響が大のアップテンポの佳曲。#4“Story Of A Woman”はタイトル曲であり、やはり『Out Of The Blue』期のELOのような曲。#5“Backbone”はDoobieあたりの匂いを感じるスローなFunky Tune。Organの使い方にセンスを感じる。#6“Wake Up Emerson”はJeff RichmanのギターをフィーチュアしたEmerson, Lake and Palmerっぽい楽曲。昔だったら飛びついた一品。#7“The Day She Dies”は60sにフロリダをベースに活動していたガレージバンドWe The Peopleのカヴァー。60sっぽいハーモニーが特徴的なSoft Rockなのが驚き。#8“Down The Road”はThe Tubesに影響を受けたFast Song。十分にPop。ラストの#9“The Wharf”は実験的な要素の強いエレクトロな一品。といった流れ。

ポップサイドに進みたいのかプログレサイドに進みたいのか、バランスをとりたいのかよく分からない立ち位置であるが、こんな所かも新しい発見があるから面白い。State Cowsの音楽性がただの真似に終始せず、深いのもこんな人が中心にいるからなんでしょうね。ちなみにジャケットにJay様が写っているとのこと。
(Zenyatta MondattaさんのBlog参照のこと)興味深い。。。。。。

Official Website: http://stefanolofsson.com/

Stefan Olofsson: Story of a Woman

Distant Fields

【本日の一枚】

GARY LAMB / DISTANT FIELDS (1990)


The Promise of Summer

カリフォルニア生まれのPianist/Composerのアルバム。油絵も嗜むというから大したもの。
自然への感謝の念が溢れるピアノはしっとりと落ち着いていて和める。
ビルボード誌のinstrumental music chartでtop10に入った作品だそう。
一連のウィンダム・ヒル・レーベルものなどが好みの方にはオススメできる一品。

とはいえ、私のコレクションになぜこの一枚があるのかは謎。
ここに存在しているということは私が何らかの理由で購入したということなのだが・・。



The Apprentice

【本日の一枚】

JOHN MARTYN / The Apprentice (1990)


Some people keep diaries, I make records

90sの彼は本作から始まる。88年には完成していた本作のマテリアルはIslandに拒否され、レコード契約がない状態でかつ、わずかな資金でツアーを決行。本当に小さな会場で音楽中心の構成でMerchandiceも何もないようなコンサートだった。
その後Permanentというインディーレーベルとの契約に落ち着くが、プロモーションも含めて全体的に幸せからは程遠い契約であった。

本作の出来は決してひどいものではなく、むしろシンセを大胆に導入し、その上であえて緻密に組み立てられた感がある。タイトルトラックの#9“The Apprentice”のような楽曲構成・歌詞は賞賛に値する。個人的にオススメなのはアーバンな魅力を振りまく#5“Send Me One Line”、ラテンフレーバーを感じるけどもどことなく暗さの漂う#8“Upo”、歌詞が深い#11“Patterns In The Rain”あたりか。アルバム全体に染み渡るウェット感と英国特有の暗さがクセになるとたまらない。

『Best Kept Treasure』の称号は伊達ではないということか。

Official Website: http://www.johnmartyn.com/

Patters In The Rain

Send Me One Line


Down On The Pleasure Avenue

【本日の一枚】

THOMAS LEDIN / DOWN ON THE PLEASURE AVENUE (1988)


Right Now!

SwedenのSSW。
そのキャリアは70sより始まっており非常に長く、1979年にはABBAのBacking Vocalistとしてツアーメンバーにもなっている。ツアー中に自作の“Not Bad at All”を歌う機会にも恵まれている。1980年にはEurovisionにSweden代表として選出され、“Just Nu!”のビッグヒットを飛ばしてもいる。
ABBA関連ではAgnetha FältskogとのDuet曲“Never Again”の大ヒットや、彼女達のSoloにおける楽曲提供、はたまた彼女達のマネージャーの娘と結婚するなど繋がりは深い。

その後一時はProducer業に専念していたようだが、一発奮起して英語でのアルバム作成をしたのが本作。#1“ Lovers come easy” , #2“Crazy about you”,#6“Who's that lucky guy”,#8“Heaven tonight”,#9“Red lips”,#10“It's so hard to keep that fire burning”においてRoxetteのMarie Fredrikssonが参加している。

結局ブレイクすることなく終わってしまった本作であるが、Hi-Tech AORが好きな人には十分アピールしそうだし、“Heaven Tonight”などのバラード系の楽曲は彼のクリアーな声質のせいもあって純粋にAOR度が高い。

Agnetha Fältskog (ABBA) & Tomas Ledin : Never Again (Promo Video)'82


Heaven Tonight


Another Summernight

Inside My Head

【本日の一枚】

RICHARD MARX / Inside My Head (2012)


Night Out With Friends

稀代のメロディーメーカーの新譜。
どちらかというと日本で言うところの『歌謡ロック』の範疇で語られることの多い彼であるが、そのメロディセンスにはぜひ色眼鏡なしに触れて欲しい。
今回の新譜は、2枚組であり、一枚が新譜、もう一枚が過去の音源の再録音となっている。
FrontiersからのPVの出来が素晴らしく、それがきっかけで今回購入を決めている諸氏も多いのでは?

ドラマティックに盛り上がるサビはどの曲においても秀逸な出来であり、フックに富む楽曲はそれこそ老若男女問わずオススメできそう。NickelbackのChad KroegerやLifehouseのJason Wade、The TubesのFee Waybillらが制作に参加した新曲もオススメ。
また、ライブ10曲+新曲2曲+DVDという構成の『Night Out With Friends』もリリースされている。

Wouldn't Let Me Love You


Had Enough ( originally by Lifehouse )