The Apprentice

【本日の一枚】

JOHN MARTYN / The Apprentice (1990)


Some people keep diaries, I make records

90sの彼は本作から始まる。88年には完成していた本作のマテリアルはIslandに拒否され、レコード契約がない状態でかつ、わずかな資金でツアーを決行。本当に小さな会場で音楽中心の構成でMerchandiceも何もないようなコンサートだった。
その後Permanentというインディーレーベルとの契約に落ち着くが、プロモーションも含めて全体的に幸せからは程遠い契約であった。

本作の出来は決してひどいものではなく、むしろシンセを大胆に導入し、その上であえて緻密に組み立てられた感がある。タイトルトラックの#9“The Apprentice”のような楽曲構成・歌詞は賞賛に値する。個人的にオススメなのはアーバンな魅力を振りまく#5“Send Me One Line”、ラテンフレーバーを感じるけどもどことなく暗さの漂う#8“Upo”、歌詞が深い#11“Patterns In The Rain”あたりか。アルバム全体に染み渡るウェット感と英国特有の暗さがクセになるとたまらない。

『Best Kept Treasure』の称号は伊達ではないということか。

Official Website: http://www.johnmartyn.com/

Patters In The Rain

Send Me One Line