2012

【本日の一枚】

CARRERA / S.T. (1983)


World Sitizen


WarnerからのHi-Tech AOR/POPな一枚。
後に(1985年)World Sitizen (こういうスペリングにする意味って何なんだろう?他言語では正しいのかな?)を結成することになる、若干R&Bの影響も見受けられるアメリカの5人組。
メンバーは

London McDaniels Vo.
Khris McDaniels Gr.
Phil Roy Key, Piano
Eric Pressly Bs.
Harpo Dr.


World Sitizenは

Khris McDaniels - Lead Vocals, Bass Guitar
London McDaniels - Guitar, Vocals
Phil Roy - Guitar, Vocals
David Maxwell – Drums

というメンバー。要するに3名が同じ。World SitizenはCapitol傘下のManhattan Recordsからのリリースで私はまだ未聴。とある資料によるとSynth Popということなので、何となく想像がつく。Khris McDanielsはChristopher Maxという名で1989年にEMI USAから『More Than Physical』というSolo Albumをリリース、その後髪を伸ばし、ジミヘンのような様相で現在はSlash (Guns and Roses, and Velvet Revolver) John Taylor (Duran Duran), Michael Jackson , Prince, Lenny Kravitz, Whitney Houston, Diana Ross (Workin' Overtime CD w/Nile Rodgers, Steve Winwood (Japan tour), Martika ("A Magical Place"-duet with her on the "Martika's Kitchen" CD) など著名なアーティストと交流・セッションをしている。Phil Royはband解散後、Ray CharlesなどのSoul/R&B Masterとの交流を経て、映画音楽(Leaving Las Vegasの“Ridiculous”は彼のクレジット)やSolo活動、またsongwriterとして,Cliff Richard、Guster、Eddie Money、Tuck&Patti、The Neville Brothers、Joe Cocker、Paul Youngなどへの曲提供をしている。London McDanielsは主にGuitaristやPercassionistとしての活動、そしてComposerとしての道に入ったらしく、有名どころだと、Paul McCartney, John Barry,Amos Leeのアルバムに作曲者としてのクレジットがある。

さて、この『Carrera』、オススメはまずはProducer(笑)。Ted Templeman。やはり私なんかはDoobieとの音的なつながりを意識してしまうが・・・このアルバムは(苦笑)。(Hard Rock Fanは彼の名前を聞いて思い起こすのはVan Helenの1st辺りなんだろうけど。)
楽曲は・・・本当にもったいないんだよねえ。まずハスキーなVo.が力量はともかく(笑)好印象。各セクションのバランスが若干悪いのが玉に瑕。ナカナカの出来のオープニングの“One More Love”なんか中間部〜後半でSAXなんか使っちゃってるけどバランスの悪さに殺されちゃってる。#2“Be Bop A Lula”は・・・どうしちゃったんでしょうねえ。まず、なぜこれなのか、理解に苦しむ。はっきり言っていらない。2曲目というアルバムの出来を決定する大事な位置に持ってきていることも疑問。続く#3“Back And Forth”はHi-Tech AORな一曲。ここまでで大分気持ちの高ぶりが下がる。持ち直しを見せるのが#4“Don't Ask For Nothing”から。ただこれももう一踏ん張りが足りない感じ。#5“Joli”はLiteなHard Pop。メロディラインのトレースがしづらい。#6“Lucky One(New York Boy)”もHi-Tech AORの範疇で括れそう。#7“Right For Me”は快活なカッティングが印象的なこの時代の影響大なEle-Pop。#8“Turn Of The Cards”はメロディラインが及第点の佳曲。展開にもう一捻りあるといいんだけど・・。ラストの#9“Still By Your Side”はピアノの音のせいか、雑な印象を受けるバラード系の曲。・・・・と全体的にB級の匂いが全開な状態。

その後の活動を見ると、才能のある人達ばかりなのだが、どうにもしっくりと方向性がかみ合わなかったんでしょうかね。Philなんか「そんなこと(80年代の活動)誰も覚えてないし、聞いたこともないんじゃない?」と言ってるし・・。


LPの値段は全然高くないです、ハイ。CD化はまだ・・・というかその必然性がないのかも。こうやって埋もれていくB級バンド。。。。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。。

Joli


Lucky One (New York Boy) (


Don't Ask For Nothing