Inte utan dig
【本日の一枚】
Swedenからの新しい風。
JAY GRAYDON、MICHAEL RUFFなどの豪華ゲストの参加も特徴的であるが、いまどき珍しい「直球」での勝負師。どこかで聴いたことがあるメロディや展開が時折聴かれるのはご愛嬌として、全体的に質の高いAORが堪能できる。特筆するような新機軸が打ち出されているとか、唸るような手法が我々リスナーを黙らせるというような作品ではないが、気がついたらそばにいる・・というようなごくごく自然なAOR/Westcoastに対するアプローチがお気に入りである。
影響を受けたアーティストの一覧を眺めてみると、David Foster, Jay Graydon, Michael Ruff, Bill Cantos, Amy Grant, Steven Curtis Chapman, James Taylor, Mauro Scocco, Earth, Wind and Fire, Stevie Wonder, Bill Champlin・・・といったおいしいところがズラリ。これでハズレというのはありえないであろう。
さて、本作は彼のデビュー作にあたる。80年代から主に地元のプロモーターとして活躍、KOINONIAやLARRY CARLTONのツアーコーディネーターとしての実績もあるようだ。裏方でミュージシャンを支え続けてきた彼がSolo Projectの形で表舞台に初めて立ったという形である。そんな彼の歴史を考えながら本作に耳を向けると、例えばJAY参加の#1“Sag som det är”はこれぞロマンティック・ハードネス！とまでは言わないものの、思わず顔の綻ぶ素晴らしい出来であると言わざるを得ないだろう。後半で聴かれる御大のGuitar Soloも楽曲にかっちりと合い、好きな人なら一発で分かる「らしさ」ぶり。Solo終盤の短めのワイヤークワイヤーでしっかりとガッツポーズが出せる。ただし、「それ」っぽいのはこの1曲だけであり、相対的に感じるのは“Westcoast”の1語。Westcoastという言葉は非常に便利であり、この一言の中に様々な要素をぶち込める。ただし今回のぶち込み方には全く持ってマイナス要素はなく、むしろ好感を持って接することが出来るような感じである。
また、このアルバムの中での貢献度を考えた時、上記に挙げた著名なミュージシャンのみならず、女性Vo.の働きが大きいことも挙げておきたい。彼女（たち？）の働きがこのアルバムに大きな色を加えている。
オススメは#1の他、どこか懐かしさを感じさせるメロディの出来が秀逸なmid-tempo AOR #3“Dina ögon”（Your Eyes）、続くBilly Joelの“Stranger”に軽くFunk/Jazz Tasteを絡ませたようなタイトル・トラック#4“Inte utan dig”（英語でNot Without You）、素朴なアクースティック・ギターに絡むPeterと女性Vo.が郷愁を誘う#5“En plats för mig”（A Place For Me）、父親が亡くなった日に書かれた感傷的なバラード#7“Saknad”（missing）、クリスチャンとしての彼の一側面が窺えるサビのメロディが絶品のCCM Song #8“Han som har skapat”、爽やかさが全開であり、リラックスして楽しめるラストの#12“Tusen Mil”など多岐に渡る。
Jay Graydonの以下のコメントが光る。
This CD is loaded with pretty ear candy in WEST COAST POP land. The lead vocals are smooth as silk, great harmony vocals, and great performances. - Jay Graydon
Cruisin’ Musicさんが日本での販売先になっています。今すぐGetを！
◆ Official Web Site: http://www.pjmd.se/
◆ Myspace: http://www.myspace.com/peterjohanssonsweden
◆ Cruisin’ Musicさん: http://hwm7.gyao.ne.jp/cruisinmusic
【到着＆購入】
○ RILEY ARMSTRONG / S.T. (2000)・・・カナダ出身CCM Singerのメジャー・デビューアルバム。
○ Mr. DANGEROUS / S.T. (1986/91/2008)・・・東海岸出身のMelodic Hard Rock Bandの４曲入EPにライヴ音源２曲を追加した再発盤。RETROSPECT。
○ FASCINATION / Fascination (1995/2009)・・・フロリダ出身のMelodic Hard Rock Bandの唯一のアルバムの再発盤。RETROSPECT。
○ REX HUNTER / Life Goes On (1994/2007)・・・メリーランド州出身のMelodic Hard Rock Bandの４曲入りＥＰの再発盤。RETROSPECT。
○ OLE BOSKOV / Listen To The Wind (1996)・・・DenmarkのSSWの1st。Bruce Hornsby, John Hiatt, Van Morisson, The Band, Eagles, Don Henley, Little Feat, Billy Joel and Elton Johnなどといったアーティストの影響を受けている。Danish WestCoast。
○ RICK CUA / Times Ten (1995)・・・CCM。
○ DINGDONG AVANZADO / The Best Of Dingdong (2007)・・・デビュー当時の楽曲を多く含むベスト。殆ど入手困難なDindongの初期のレコーディングが聴ける。
○ MALDITA / S.T. (2010)・・・ミンダナオ島最南端、Zamboanga（個人的になつかしい！）出身のPop Bandの1st。センスの良いメロディは掘り出し物。Viva recordsより。
○ Frio / Overboard（2010）・・・2006年にAlpha musicから1stをリリースしたPop/Rock Band。Synergyに移籍しての2nd。このバンドもZamboanga出身だそう。
○ PENNEBAKER / S.T. (2005)・・・SwedenのPop Bandの2nd。
○ ARCHIE CAVANAUGH/ Alaska Jazz (2010)・・・最新作（3rd）。はっきり言って捨て曲なし。Cruisin’ Musicさんで購入出来ます。
○ EMD / Rewind (2010)・・・SwedenのBoys Group。アイドルというだけでは済まされない折り紙付きの実力は一聴の価値あり。Crusin’ Musicさんで購入出来ます。
○ TIME GALLERY / S.T. (2010)・・・待ってましたの再発。限定1000枚。あっという間にまたレア化必至確定盤。未発表音源も含まれているこれは超オススメ。Cruisin’ Musicさんで購入出来ます。
○ MR.MISTER / PULL (2010)・・・幻の4枚目の正規発売盤。Cruisin’ Musicさんで購入出来ます。
などなど。
