New Generation

【本日の一枚】

Auras / New Generation (2010)

New Generation

Love, Dreams, Faith and Hope

Demoとして聴いていた“Reach Out”や“Hungry Heart”はこのバンドをチェックするのに十分なクオリティを持ったものであった。あれから約2年とちょっと。ついにフルアルバムを引っさげて彼らは帰ってきた。Brazil出身のBandのデビュー作である。

Frontiersという強い後ろ盾を武器に、最近のMelodic Rock/AOR Bandの中では同じレーベルメイトであるWork Of Artと同等の衝撃を持っていると思う。

一聴して「Journey!!(Escape/Frontiers時代!)」という言葉が返ってきそうな音楽性は終始ぶれることなく、アルバム全体を覆っている。Jimi Jamison、Jeff Scott Sotoのお墨付きも貰い、まさにこれからが楽しみなバンドである。

この手の系統のバンドはサウンドプロダクションが良いことが必須条件の一つになるのだが、Dennis Wardの仕事ぶりによるクリアーなサウンドには及第点をあげたい。

Vo.のGui Oliverの声質や唱法は明らかにSteve Perryに似ている/意識しており、現在のJourneyのVo.であるArnel Pinedaを彷彿させる所もある。しかしながら多くのReviewにおいては絶賛されている彼について、私は若干の不満がある。これがこのBandの将来にも関わるのでは・・。それはインパクトの不足、ということである。Steve PerryしかりArnel Pinedaしかり、彼らには楽曲を突き破ってくる「勢い」や心を揺さぶられる「感情の揺れ」を感じさせる部分があるのだが、Gui Oliverにはあまりないと感じられる。これからのライブの積み重ねが彼の素晴らしい声質をより生かしていくキーになりそうである。

楽曲に関しては、もう80s Melodic Hard Rock/AORがお好きな方には絶対的にオススメしたいものがどっさり詰まっていると断言したいのだが、いかんせん楽曲があまりにも似かよっていて、このBand独自の魅力は何?ということになると非常に細かい点を挙げるにとどまってしまう。(同じような感想をTour De Forceの2ndを聴いたときも思ったことを思い出した。)将来を長いスパンでとらえ、歴代のMelodic Hard Rock/AOR Bandのような活躍をしていくためにはBandのカラーとも呼ぶべきアピールポイントに欠けているのではないか。まあ、贅沢な弱点であると現時点では思うのだが(笑)。

ハイライトをあえて挙げるとすると、月並みながら#1“Beauty Of Dreams”、#2“Forgive And Forget”、#3“Never Give Up”、#5“Reach Out”、#8“Hungry Heart”、#10“Keep On Loving You”、#11“Out Of Love”とほとんどの楽曲を挙げざるを得ないのは、いかにこのアルバムが素晴らしいかということを端的に表している証拠となるだろう。

Myspace: http://www.myspace.com/auraaor

Auras - Beauty Of Dreams