Into The Air 2

【本日の一枚】

INTO THE AIR / INTO THE AIR 2(2005)


〜The Sky In A Morning Dew〜

 ソプラノサックスの名手である塩谷博之さんを中心とした神戸のライブハウスBIG APPLE生まれのバンドの2作目。偶然手にしたアルバムであり、まったく予備知識もないままに聴く。題名の2は本当はローマ数字の2。何故か変換できず。(苦笑)

中心人物の塩谷さんのサックスは、変幻自在なドライブ感、生命力溢れる演奏で人気の故Michel Petruccianiにも絶賛されたとのこと。その活動は自身のバンドINTO THE AIR のみならず内外各所でジャンルを越えて活動しているとのこと。

ピアノ・シンセ担当の島田さんは円広志のサポートバンド、Thomas Lichtenstein(Thomas Howard)(vo,pf)のCD『LET THE WORLD IN』、山根康広のサポートバンド、aikoのインディー時代のライブサポートコブクロのインディー時代のCD『Root of my mind』参加などなど物凄い数のセッションやサポートをこなしている凄腕。

Bassの三原さんは、学生時代にJAZZ好きになりコントラバスを始め、神戸のJAZZCLUB『MJOIN』で小曽根実(p)トリオでプロ活動を始めた方。その他、芳垣安洋(ds)の集団即興バンド『First Edition』に参加、関西・関東のライブハウス、音楽フェスティバルに出演、現在も関西を中心に活動し、土岐英史(as)、タイガー大越(tp)、のツアー参加や、日野皓正(tp)、向井滋春(tb)、大坂昌彦(ds)、川島哲郎(ts)等、一流ミュージシャンとの共演をしているとのこと。

Drums, Perc.の岡野さんはあのバークリー音大出。19才よりプロとして活動。 その後関西、東京などのミュージシャンとセッションを重ね、現在も関西を中心に活動を行っているそう。

こんな4人のグループなのですが、そこから繰り出されるコンビネーションの絶妙なことといったら!テクニカルな側面に走るのではなく、あくまでもメロディを大事にし、曲によってはOREGONあたりを彷彿させるナチュラルかつ大陸的でなだらかな音を聴かせたり、また北欧ジャズ的な直線的でないある種の温かみを持ったメロディが印象的だったり、はたまたケルト的な風味を備えたおいしさ満点の展開を見せる曲があったり、中近東的なフレーズを盛り込んだ楽曲があったりとおもちゃ箱をひっくり返したような分析が出来るんですが、それが渾然一体となっていて全く違和感がないのがとても凄い。

思うに各楽曲ともに、鉄壁のボトムに支えられながらの絶妙なピアノもしくはシンセの味付けがあり、唯一無比とも言えるほどの強烈な印象を与えてくれるソプラノサックスのメロディが悠然と乗っているという共通点があるからかも。

残念なのはジャケット。各楽曲の細かいデータなんかがあるともっとよかったかなあ。
まあ偶然とはいえ、こんな素敵なバンドにめぐり合えたのはラッキーでした。