Keven Jordan

【本日の一枚】

Keven Jordan / S.T. (1994)


The Renaissance Man

一部のファンの間(私も含めて)では10年以上前に騒がれた一人。彼のMusic Careerを終わらせた一品というと失礼に当たるだろうな。2ndに当たるのだが、そんなに悪くないと思うのは私だけ?

そりゃ、1st に比べたら・・という話もあるが、おそらくダラッと最後まで行っちゃう様なアルバム構成とフックに欠ける楽曲が何曲か交じってることに問題があるって感じるんでしょうね。

私にとっては土着的なイメージがより強まったこの作品も、別の意味で楽しめるということで上位に食い込んでくるアルバムなんですが。。どことなくBruce Hornsby的といいますか。。。(Kevin本人も当時を振り返ってマイナス的に思っているらしいことが今回分かりました。(後はやる気とお金の問題だったよう))

彼のことを何年も前に調べていたとき、偶然カナダ人の同姓同名のアマチュアミュージシャンと知り合いになり、交流を持つきっかけになったことも今はなつかしい思い出。(息子さんが同じ名前でオヤジの作品をネットに出していたのが真相だったのだが・・・彼の作品は・・・まあやめておきましょう(笑))

さて、こちらのKevenさんは北アフリカはエジプト生まれ。11歳でカナダに渡ったらしい。20歳でトロントに移りギターの練習の傍ら、TVコマーシャルの端役なんかをやっていたようだ。1990年に再出発をしたSONYとカナダ人アクトとして初めてサインをするまではSSWとしてトロント周辺のコーヒーハウスやクラブに出入りしていたらしい。

彼のデビュー作『No Sign Of Rain』は確かに傑作。大陸的な雄大さをしかと感じさせてくれるスケールの大きいAOR/Melodic Rock。(“No Sign Of Rain”、“She Lives”、“The Path That Lead To You”は本当にヤバいです。)サポートとしてDanny McBride (Chris DeBurgh) や Martin Walsh (Supertramp, The Key) Peter Cardinali (Stan Meissner , Simon Chase)の名前が見える。Tim Feehan, Paul Janz, Corey Hart , Stan Meissnerなどが好きな人には強烈にオススメできそう。

さてこのセカンドにおけるオススメは・・

跳ねるピアノと躍動的なドラムが大陸的な広がりを感じさせるとともにちょっとしたカントリー・フレーバーなんかを垂らし込んだメロディック・ロック#1“Broadway Joe”、サビにずっしりとした哀愁を感じる名曲#2“Who Knows”、メロディがとても印象的なミドル・チューン#6“More Than Enough”なんかは1stの楽曲と比較しても遜色ない出来だと思うのですが・・・いかがでしょう?

現在の彼はgraphic artist と photographerという職業を中心に活躍しているらしい(とあるデザインスタジオなどのCreative Directorという役職)のですが、今も曲を書いており、CMソングなどの形で日の目を見ているよう。また自分自身のDEMOも少しずつ制作しているとのこと。近い将来何らかの形で紹介される日がくるかもしれませんね。

追記)ちなみに下記のLink(MYSPACE)で最近の彼のDemoが聴けますよ。
追記2)Kevenさんからメールを再度いただき、4月か5月にEPが出せればいいなあ〜なんておっしゃってます。本当に実現できたらいいですね。

MYSPACE: http://www.myspace.com/kevenjordan
◆Web Site: http://www.soloteam.ca/