Heart Of The Valley

つらい一週間でした、特にこの2,3日。まだ眠いです。この辛かった一週間を故郷のりんごジュースと蒸気のアイマスクが助けてくれました。ありがとう!

【本日の一枚】

Jeff Larson / Heart Of The Valley (2009)


Airport Smiles

待望のJeff Larsonの新作。デジパック仕様のジャケはシンプルで前作のジャケの雲が同じように描かれ、街の写真の自然体を強調しているようなデザイン。

 プロデュース/大半の曲のソングライティングをGerry Beckleyが担当。今回Jeff本人が作曲に関わってるのはわずか2曲のみ、さらには楽器についてもピアノのみの演奏というのが意外。Special GuestにAmericaのDewey BunnellやJeffrey Foskett、さらにはRich Campbell (America)、Rusty Young (Poco)の名も。

 前作同様、非常に素朴で穏やかな色合いや爽やかな印象を受けるが、当然のこととして、GerryのSoloやAmericaに近い音である。従来のアルバム以上にGerryとのコラボ色が強い。これはこれでいいのだが、個人的にはJeffrey Foskettにもっと突っ込んだ参加をしてほしいというのが本音。

 オススメはAmerica譲りのハーモニーが素敵な#1“Heart Of The Valley”、Jeff/Gerry体制の良い所を詰め込んだようなウエストコーストサウンド(後期Eaglesの匂いが・・)#4“Minus Marci”、Gerryの素晴らしいソングライティング能力が堪能できるバラード#5“Calling”、波のようなハーモニーがBeach Boysを、素朴で優しげなメロディーがAmerica, Jackson Browneなんかを彷彿させる印象的なウエストコースト・ソング#6“One Way Ticket”、Jefferyの影がちらつくんだけど、関わっていないような・・・まあそれでも十分に素敵な(私のイチオシ)#10“Wishing Well”、アルバムを閉じるのには相応しい#11“One Lit Window”などか。

 初期3部作に見られた眩しいくらいの独自性が若干失われてきている気がするのはプロデューサーであるGerryの責任か。あの70sウェストコーストサウンドと現代の音との融合を凄く納得のいく形で見せてくれたJeff Larsonは幻だったのか?・・・という気持がない訳でもないが、総じて現在堪能できるBreezyなSoft Rockとしては最高峰と言っても過言ではないでしょう。

 なお、#8“Southern Girl”の歌詞はF. Scott Fitzgeraldの詩『One Southern Girl』とエッセイ『The Crack-Up』より改編されたものらしい。

Official Site: http://www.jefflarson-music.com/
MYSPACE: http://www.myspace.com/jefflarsonmusic

【到着&購入】

○Freestyle / Playlist ・・・OPM。メンバーチェンジ後のFreestyleはもはや別のバンドと考えた方がよさそう。よりR&B色/アーバンな色合いが深まった感のある新作(ただしカヴァー集)。Vo.であるJinkyの魅力を最大限に引き出そうとする大胆で意図的なアレンジの変化が見て取れます。#1“I Will Survive”ってGloria Gaynorのあの名曲ですよね??原曲の影形の分からないこのアレンジには脱帽でした。#2の“There’s No Easy Way”はBarry Mann作。James IngramのVersion (バックにDavid Paich)が有名ですね。同じOPM SingerのJed Madelaもカヴァーしてます(これもオススメ)。#3“Got To Be There”は先日急逝したMichael Jacksonの71年(Pop/R&B部門ともに4位)のカヴァー。#4“Suddenly”はOlivia Newton John & Cliff Richardのカヴァー(’81)。これも大きなアレンジの変化は見られませんが、しっくりとくる選曲ですね。#5“I Live For Your Love”はNatalie Coleの91年のアルバム『Everlasting』に収録されてます。OPM SingerではLani Misaluchaなんかが同様にカヴァーしてますね。#6“Take Me I’ll Follow”はBobby Caldwellの渋いカヴァー。確かサントラか何かじゃなかったでしたっけ。久々にオリジナルも聴いてみましたが、かなりの名曲です、コレ。#7“Don’t Let Me Be Lonely Tonight”はJames Taylorの名曲。Claptonを始め数多くのアーティストにカヴァーされていますね。#8“Sara”は言わずとも知れたStarshipのキラー・チューン。原曲よりもややしっとりとした印象を受けます(やはりドラムのせいか?)。#9“Love’s Holiday”はEW&F、#10“Till I Loved You”はBarbra StreisandとDon Johnsonのデュエット曲、#11“Sweet Baby”はGeorge Duke、#12“Easy”はLionel Richie、#13“I Can’t Find The Words To Say Goodbye”はBreadのDavid Gatesの楽曲(Ninaもカヴァーしてましたね)、最後を締めくくる#14“Truly”は再びLionel RichieのカヴァーとAORファンにも凄〜く納得の内容。

◎West Of Sunset / S.T. ・・・元FINGERPRINTSのBJORN STROM とTHOMAS AXELSSON が改名して再結成したメロハー・ユニットの激レア盤の再発がついに現実のものに!待ってて良かった感が今年一番強い一枚かも。Swedish Melodic AOR。Cruisin’ Musicさんで購入可能です。
◎Alessi / Just Like That ・・・06年。アレッシー兄弟復活第2作目。Cruisin’ Musicさんで購入可能。
◎Chiris Eaton / Dare To Dream ・・・’08年。2nd『WONDERFUL WORLD』に近いCCM/AOR。オススメです。新品でCruisin’ Music さんで購入可能。 

○Victor Davis / Hoxton Popstars ・・・’03年。ロンドン在住のソウル・シンガー・ソングライターの第2作。70年代ソウルを彷彿させるメロウさにジャズ、ロック、ブラジル色も加味。私にも優しかったクロスオーヴァー
Prefab Sprout / Let’s Change The World With Music ・・・Musicという言葉が多用されている彼ら(彼)の新作・・とは言えないな、実質ラストアルバムと言っていいのかも。1曲目・2曲目には度肝を抜かれたが、その後後半まで一気に攻めるように押し寄せる甘美なメロディの波にやられました、ハイ。次に彼が繰り出す“Music”がどんな形になるのは非常に楽しみになったアルバム。
○Michael Omartian / The Race ・・’91年。Solo2作目。CCM。
○Juvet / Solitudes ・・・’91年。モデルからSSWへ転身した異色のフランス人。13作目。70年代後半にDisco Music Performerとしての世界的成功を掴んでいる。AOR然とした楽曲もあるが基本Disco Sound。
○Daryl Braithwaite / Edge ・・・70sオーストラリアで最も成功したPop Groupの一つSherbetのメンバーのSolo。’88年。
○Sophie Carpenter / From A Phone Booth On An Island ・・・’08年。ベス・ニールセン・チャップマンを彷彿とさせる女性SSWの5曲入り新作ミニ・アルバム。Thanks, Ono-san, I really enjoyed this.

などなど。