At Last It's The First

【本日の一枚】

Who Knows / At Last It’s The First (1993)


Cry Baby

ギリシャのマイナーメロディックハード・ロック・バンドの唯一の作品。オリジナルは92年Vinyl盤でしかリリースされなかったようで、今ではレア盤みたいです。ただこの再発CDはギリシャのレーベル(unisound records)なのですが、そんなにレアではなく、あまり苦労せずとも手に入ります。(日本にも某天国さんが引っ張ってきているようですし。)現状ではunisound recordsのカタログからは外れているので既に廃盤のようですが。

ここのレコード会社の代表の方もあるインタビューで言っているんですが、予算の問題とヨーロッパ中央部との地理的な関係からのプロモーションの問題が非常に大きいとのこと。これ一枚のみで埋れていった背景にはいろいろな事情がありそうです。Raw SilkやTrade Markなどその他のギリシャのバンドの動向を見てもそうですが、兵役義務などの観点からも若いバンドが育ちにくい環境にあるようです。前にこのBlogでも紹介したWild Roseも兵役義務のため活動を休止していましたし。(めでたく活動再開したようです)

70s〜80sにかけてのBritish Hard Rockを基本線に、キャッチーなギター・リフと構成が複雑ながら耳に残るメロディラインが印象的。曲によってギターのアプローチも音作りから異なっていますし、BsとDr.も異なるので、時期的に様々な音源をまとめたものなのかもしれません。音的には、イギリスのTara’s Secretあたりとの比較ができそう(分かりにくいか?)ですが、構成的にはもう少し複雑な展開を好むようです。

オススメはダークな印象のジャケットからは想像し得なかったホーンセクションから始まるミドルテンポでハモンドのバッキングも印象的な#1“Minerva”、キャッチーなギターリフに先導される#2 “Manitu”(それに乗るリードギターの音は・・??な感じですが初期Magnumあたりを彷彿とさせる展開が聴けます。)、どこか冷めたメロディラインの#3“Cry Baby”(サビの激甘キャッチーなメロディラインは最初想像し得ませんでした。転調の仕方などちょいと強引な部分もありますが、オススメの一曲ですね。)、初期FMやShyなんかが持っていた独特の湿り気感がよく表現されている#4“Let Me Talk To Your Heart”(こういったミドルナンバーはことアメリカのバンドなんかでは表現しきれないものがあると思うのですが・・。)典型的なアップテンポ70s British Hard Rockの #6“Hide ‘N’ Seek”(キーボードとスライドギターは及第点)、そしてキーボードに先導されるキラキラ・ハード・ポップ#7“Talk Of The Town”(Vo.の声質もあってか、サビのメロディラインが弱いためか、決してキラキラには聴こえないというオチがあります。(笑))か。

Vo.の表現力がもっとあったら・・メロディラインの詰めをもっとしっかり・・などなど言いたくなることは山済みで消化不良な感も否めませんが、「埋れたB級メロハー」を探すというのは案外、こんな所が落とし所のような気がします。

ご興味のある方は以下のサイトで扱っていますよ。
◆Sonic Age Records : http://sonicagerecords.com/

【到着】

○Clark Kent / Reloaded ・・・ドイツのAOR/Melodic Hard Rock Bandの1988年に残した6曲入りEP「SIXSONGS」にライヴ音源1曲含む4曲をBonusで追加収録してリマスターを施した限定500枚再発盤。1曲目は極キラー。このイントロ、レベル高けえ〜!・・で、これで3杯は飯が食えます(笑)。が、同様のレベルが一枚分も続くはずはなく・・なのですが、まあまあのレベルでのウェスト・コースト風のメロディも所々あり、典型的なアメリカン・メロディアス・ハード・ポップといったサウンドが楽しめます。最近の限定物の中では結構オススメかも。

○Crosby Loggins / time to move・・・Kenny Logginsの息子のSolo。Crosby Loggins And The Lightというバンド名義でのアルバムは、以前このBlogでも紹介しました。このアルバムにも収録されている“Good Enough”が再収録されています。バンド名義の前作もそうでしたが、心地良いウエストコースト・サウンドを正統的に受け継ぎつつも、若い世代の息吹も取り込んだ力のこもったアルバムになってます。ぜひ一聴を!

○Roots Of Swedish Pop / The Garage Days Vol.2

などなど