Painted From Memory

【本日の一枚】

ELVIS COSTELLO & BURT BACHARACH

PAINTED FROM MEMORY

(1998)

Painted from Memory

God Give Me Strength

98年.エルヴィス・コステロバート・バカラックのフルアルバムでのコラボレーション。バカラックに何故かこの所縁があるなあ。

彼の持ち味である圧倒的なパワーを秘めたメロディーライン、効果的なストリングスの使用、グッとみぞおちあたりにヒットする歌詞、そして何より60年代からずっと第一線を走ってきたカッコよさが彼には感じられます。また、ある種のあたたかさというのか、少し厚めのオブラートで全体をコーティングしたような不明瞭な視界を感じるんですよ。それもとても心地良いですねえ。

一方、コステロには「職人気質」というのか、「細かい」というのかとにかく「繊細さ」というキーワードが彼にしっくりと来る気がする。ワーナー時代の多種多様な/変幻自在な彼のお仕事もさることながら、その後のポップ・フィールドに収まらない音の追及には頭の下がる思いでいっぱいです。彼の作るメロディーラインにも一種独特なものがあり、特に盛り上がりの作り方では定評があるのではないでしょうか。展開が読めないというか・・・どこか捻くれているような・・(あくまでも誉め言葉)(笑)。

そんな彼らが一緒に作ったアルバムはやはりすごいパワー。カッコよくオーケストラに絡むバンドには、職人Jim Keltner, Dean Parks, Steve Nieve, Greg Cohenという渋い面々。絡み方度合いが半端なく素晴らしいですね。音のバランスも言うことありません。細部にいたるまで徹底して(おそらく徹底したというよりは、これが彼らのセンスなんでしょうが)作り込んだ様子が窺えます。またバカラックのピアノがストリングス、そしてハーモニーと渾然一体になっている上にコステロのこれまた絶妙な感情表現が体感できるヴォーカルが乗るというパターンには悶絶必至です。これは全曲オススメでしょう。

ちなみに#4“THIS HOUSE IS EMPTY NOW”と#8“THE LONG DIMENSION”はバカラックが完全に一人だけで曲を書き、コステロは歌詞だけ、また#6“SUCH UNLIKELY LOVERS”に関してもほとんどがバカラックの手によるものらしいです。

彼らはまたバカラックの“I’ll Never Fall In Love Again”のUpdated Versionを映画『Austin Powers: The Spy Who Shagged Me“のOSTのために提供し、なんと出演までしちゃってますね。この次の年に来るのが、例の“She”(Notting Hill Version)ですね。

Elvis Costello and Burt Bacharach's "I'll never fall in Love again" in Austin Powers 2

Elvis Costello - 'She' with the Liverpool Phil


聞き込みが必要なアルバムであると同時に、瞬間的なインパクトにも事欠かない。やっぱり彼らは「天才」ですわな。ますます彼らが好きになりました。

Elvis Costello & B. Bacharach - Painted From Memory

Elvis Costello & Burt Bacharach - This House Is Empty Now


【到着&購入】

BLAKE BOLLINGER: Blake BollingerRTZ: Set The Songbird Free

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GERRY BECKLEY: Happy HourGERRY BECKLEY: Horizontal FallGERRY BECKLEY: Van Go Gan

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◆Chris Eaton / Wonderful World・・・ペコさんより。ありがとうございま〜す。大切にしますね。
Matt Brouwer / Where’s Our Revolution・・・これもペコさんより。カナダ出身ccm/sswの08年作。アコースティック主体の明るくキャッチーなポップ・ロック。
◆Jimi Jamison / Crossroads Moment・・・これまたペコさんより。
◆Mauro Scocco / Dr Space Dagbok・・・英訳だと“The Diary of Dr. Space”となるらしい。元Ratataのシンガーであるスウェーデンのポップ・アーティストの2nd。91年。ジャズ、ソウル、ファンク等のエッセンスを上手に散りばめているのを感じる冴えたAOR/ポップロック作品。
◆Tony Hadley / True Ballads・・・Spandau BalletのSingerによるコンピ。バンド名義のものも含まれる。タイトルが示すように「こちらサイド」にスポットを当てた好盤。
◆Tom Keane / Smoove’ and Juicy Covers・・・aosisからの一枚。L.A(ウエストコースト)を中心に大活躍する、AOR系スタジオセッションプレイヤーのDavid Foster、Jay Graydon、Burt BacharachCarole Bayer Sagerなどとの共作ソングの集大成アルバム。バックミュージシャンはMichael Landau、ChicagoのBill Champlin, Jason Scheffというお馴染みの面子。曲数が少ない。
◆Blake Bollinger / S.T.・・・Destination KnownのVo.の2nd Solo。7曲入り。
◆RTZ / Set The Songbird Free….・・・急死したBrad DelpのためにRTZのメンバーが作ったトリビュートソング。ピアノとギターが劇的に舞うパワー・バラード系の曲。一曲しか入っていない上に、安い紙ジャケというイデタチであり、さらにYoutubeでフルで聴けちゃうというものですが、追悼ということで購入。

※RTZ / Video by RTZ in tribute of Brad Delp (Set The Songbird Free)

◆Gerry Beckley / Van Go Gan
◆Gerry Beckley / horizontal fall
◆Gerry Beckley / happy hour  ・・・Gerry Beckleyの3作品。

などなど