FAR AWAY FROM HERE

【本日の一枚】

HIGHEST DREAM / FAR AWAY FROM HERE (2009)

FAR AWAY FROM HERE

a high quality classic 80s AOR

何とも言えない懐かしさを存分に醸し出した素晴らしいバンドの登場です。ブラジル出身のこのバンド、アルバム制作時はどうやら2人+ゲストミュージシャンというスタイルだったようです(現在はバンド編成が固まったよう)が、80sMelodic Hard Rock/AORの要素を至る所に振り撒きながら、キーボードを主体にした珠玉のメロディがおじさんの心を震わせます。

オススメは・・・と言いながらまずは、私の中でのマイナス・ポイントなんですが、

これは私見が分かれるところだと思うんです、ハイ。というのはイントロから#2“Restless Dreamer”への流れなんですが、好きな人にはたまらない展開だというのは分かるんです。でも、私の中では何となくちゃちいメロスピのバンド?的な感じがしてどうも素直にメロディに酔えない部分が残ります。もちろん、疾走感溢れるメロディに心魅かれる部分も多々ありますし、サビの前のVo.のちょっとした掛け合いやサビのメロディなどには80sの香りがプンプンと漂ってて「あ〜いいなあ」というのはありますが、これで始まり方とプロダクションにもう一歩の工夫があったら・・なんて考えちゃいました。ということでこの#2は私的には?なのですが、一般論(メロハーファン的としてはオススメなのでは?という気がします。

その他、気品高いメロディ・ラインからサビへの移行が印象的な#3“Can’t Fight Hearts”、イントロのキーボードでもうだめです的なハードポップ曲#4“Helpin’ Hand”そして牧歌的なイメージを上手にメロディアス・ハードの曲に仕上げたようなタイトルトラック#5“Far Away From Here”、Talismanのようなグルーブ感が心地良い#6“All I Want”、どこかで聴いたようなキーボードが印象的な#7“Reach Higher”、ドラマティックなメロディがアクースティック・ベースのリズムに程よく交じり合うバラード#8“Love Makes You Cry”、Van Halenの“Dreams”のようなキャッチーなキーボードに先導されるハードポップの名曲#9“I Will Find You”(サビではIntuition時代のTNTを感じません?)、もろに80sしているハーモニー(よくあったよね、こういうパターン)から始まる“Not An Angel”(これも何かに似ているかも・・)、しっとりとロマンティックにアルバムを締めくくるバラード#11“Never Be Apart”(Vo.はツイン・ボーカルですか?やるねえ。)と全曲になってしまいました(笑)。ま、それだけ80sに哀愁を感じるおじさんの心をゲットしたということで、オススメできるだけのメロディのクオリティは保っていると思いますよ。

次回もし2ndを作るチャンスがあるなら、まずはプロダクションの向上、そしてTed Poley, Joe Lynn Turner, Tony Martinといった大物メロディアス系VocalistのBack Vocalを努めた経験もあるVo.のRiq Ferrisの伸びやかなハイトーン・ボイスをさらに生かすような叙情的なメロディラインを持った楽曲の必要性が感じられます。まあ、1stとしては及第点ではないでしょうか?

MYSPACE: http://www.myspace.com/highestdreamrock