NOTES FROM ELSEWHERE

【本日の一枚】

Peter Mulvey / Notes From Elsewhere (2007)

PETER MULVEY: Notes From Elsewhere

GO BY BIKE!!

 15年のキャリアの中で書き溜めた楽曲をレコーディングしたという集大成的なアルバム。優しさと温かさがたくさん詰まった深みのある作品。アクースティック・ギター一本で奏でられる常に軽快なアルペジオに乗る彼の声は時に大らかに、時に激しく語りかけます。Milwaukee出身の彼、大学卒業後にIrelandに渡りダブリンの街角で大道芸人の仕事を学びます。その2・3年後アメリカに戻り、Bostonに拠点を移し街角や地下鉄での演奏活動を続けたようです。90年代に8枚のアルバム(Demo Tape、Live Album含む)、2000年にアルバム『Trouble with Poets』をリリース後は2002年『Ten Thousand Mornings』(自分の音楽的キャリアの出発点であるBostonの地下鉄でレコーディングしたCover Song集)、2003年『Redbird』(レーベル・メイトとのコラボ)、2004年『Kitchen Radio』、2006年『The Knuckleball Suite』と順調にリリースを続け本作品に至っています。

独学で奏法を磨いていったらしい彼のギターはとにかく一聴の価値があります。カッチリとまとまったある意味洗練された音は、心地良いというよりは気持がスッキリするようなものです。Tom Waitsの声が潰れる前の若々しさを保っていた頃にちょっと似たような若干ハスキーがかった声も楽曲にピッタリです。オススメは哀愁溢れる冒頭から一転して穏やかかつ軽やかに転化する#1“Shirt”、Irish musicのテイストを持つインスト曲#8“Black Rabbit”(Bert Janschっぽいですよ)、めちゃくちゃCoolにアコギがうなる#6“The Trouble With Poets”、Fort Atkinsonにあるレストランバー(Music Club)Café Carpe及びそこの常連の音的スケッチ(笑)という#10“The Knuckleball Suite”、楽曲の構成がBass音、ハーモニクス、そしてミュートを巧みに使ったもので興味深い#12“Charlie”、小品ながら深みのあるインスト#17“Little Foot”などでしょうか。

2007年と昨年、『No Gasoline Tour』という自転車でツアー先を回るというツアーをやってのけたそう・・・・。今のおらっちには考えられない元気さです。MYSPACE上には『THE GO BY BIKE CHALLENGE』というバナーがありますし、Youtubeで見れる彼のバイク・・・なかなかかっこいいですよ。Peter Mulvey・・・興味深いアーティストです。


NO GASOLINE TOUR 2008

◆HP: http://www.petermulvey.com
MYSPACE: http://www.myspace.com/petermulvey

PETER MULVEY: Notes From ElsewherePETER MULVEY: Kitchen RadioPETER MULVEY: Rapture

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PETER MULVEY: Ten Thousand MorningsPETER MULVEY: Brother Rabbit Speaks / RainPETER MULVEY: The Knuckleball Suite

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PETER MULVEY: Deep BluePETER MULVEY: The Trouble with Poets

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ジャケットも素敵なものばかりです。