The Last Words

【本日の一枚】

Bruno LeVesque / The Last Words (2007)(CD-R)


〜In Memory Of His Grandmother〜

フランスのメロディックハード・ロック・バンド(プロジェクト)SilenceのギタリストBruno LeVesqueの2007年のSolo。このアルバムを自分のおばあちゃんに捧げていることからも分かるのですが、非常に個人的で内省的なアルバムに仕上がっています。
ギタリストのインスト・アルバムというと、とかく色々なものを詰め込みがちで、そのせいか余計にメロディを追うということに集中できずに、半ばにして飽きてしまうということが多々あるように思えます。しかしながらこのアルバム、確かに様々な影響・エッセンスを感じ取ることが出来るのですが、その根底には一貫した何か一枚のヴェールで覆われているような安心感が横たわっており、一種のコンセプトアルバムのような趣も感じられるのが不思議です。

内容はと言うと・・・
スペーシーなキーボードに導かれた美しいメロディの#1“Destiny”はオープニングに相応しい堂々とした佳曲。Brunoのギタリストそしてコンポーザーとしての懐の深さを感じさせてくれます。続く#2“Forever”は叙情感溢れる楽曲。アクースティック・ギターのアルペジオによって導かれるテーマが例えばケルティック・ミュージックなんかによく聴かれるような荘厳な響きを与えてくれています。#3“The Last Words”はタイトルトラック。哀愁溢れるメロディが胸を締め付けます。Endingの波の音も効果的です。#4“The Long Road”はSilenceの『Open Road』収録の“Far From You”系の小気味良い8ビートの上でキャッチーなギターリフが踊るハードポップなナンバー。ハードポップというと語弊があるかもしれませんが・・。Vo.が入ったVersionでもいけそうな気が。#5“Somewhere”は地味ながらも広大な広がりを感じさせてくれます。盛り上がりのないまま終わるという意味では、ある種「繋ぎ」的な曲でしょうか。#6“Chinese Lullaby(2007)”は2002年のアルバム『UTOPIA』に収録の曲。#7“Alpha 60(Part ?&?)”は爽やかな導入部からうって変わって短調なビートに乗るフランス語の会話(何を言っているか分からん。。)が延々と展開されます。そこからさらに導入部のパートに戻り、またまた繰り返し。ここにはキーボードのバックアップが多少入るのですが、何せフランス語が分からん私は、単にアヴァンギャルドな展開を楽しむに過ぎません。最後は再び導入部の展開に戻り終了という感じです。う〜ん。。。#8“Highway 61”はSilenceのアルバムに収録されていてもおかしくないメロディの楽曲。#9“Dreaming”はその題名どおり、メランコリックなメロディが印象的。個人的にこのアルバムでのイチオシはこれかな?#10“Loving You”は躍動感と叙情感が渾然一体となったような楽曲。素直に楽しめる一曲ですね。ラストを飾る#11“Vostor”はキーボードを大々的に使い、図太いディストーションサウンドのギターと繊細なトーンのギターを上手に絡めながら、オープニング同様、堂々とした楽曲に仕上がっています。
 とまあ、こんな感じです。

セルフ・プロデュースの上、アートワークから写真まで全て自分一人でこなし、当然CD−Rという手作り感満載のアルバムですが、Brunoさんの手書きのメッセージが申し訳なさそうに小さく付いてきますよ(笑)。しかしこれ、何の切れ端だろう・・。これがなかなかかわいい。SilenceのHPで購入可能です。

個人的には『Open Road』に参加していたAurélie Nogueとのコラボ・プロジェクトである、Nogue / LeVesqueの作品がまとまるのを期待しているのですが、Aurélieさんの話では具体的に進んでいるようではないようですね。もしかしたら次のSilenceのアルバム用になるのかも・・・。ここら辺をBrunoさんに聞いてみたいですね。

SILENCE - "Never Look Back"

MYSPACE (Bruno LaVesque): http://www.myspace.com/brunolevesque
MYSPACE (Silence) : http://www.myspace.com/silenceaor
◆HP(Silence): http://silenceprod.free.fr/
MYSPACE(Aurélie Nogue): http://www.myspace.com/aurlienogue