Indian Summer

【本日の一枚】

Go West / Indian Summer (1992)

このところずっと雨が多かったのが嘘のような昨日今日の仙台。こういう天気がいつも続くといいですねえ。
冬に突入する直前のぽかぽか日和を『Indian Summer』と言うようですが、そんな天気の日に最適なアルバムを一つ。

【参考までに〜Wikipediaより】
Indian summer is a name given to a period of sunny, warm weather in autumn, not long before winter. Usually occurring after the first frost, Indian summer can be in September, October, or early November in the northern hemisphere, and March, April, or early May in the Southern hemisphere. It can persist for a few days or extend to a week or more. This term is not related to the summer season in India

Go westPeter CoxRichard Drummieのデュオ。今年彼らは最初のシングルである"We Close our eyes"をリリースしてから丸22年経ちます。彼ら二人がコンビを組み始めたのは1982年。それまでの彼らはTOP40バンドのカヴァー・バンド、新聞の広告関係の仕事をしていたようです。最初はコンポーザー・チームとして認められ、ピーター・フランプトンなどに曲を提供していました。このキャリアが彼らをデビューへと導いたのです。1985年にリリースされたシングル'We Close Our Eyes'はアメリカでtop10ヒット、イギリスではtop4にまで上り詰めました。彼らのデビューアルバムは150万枚のセールスを上げ、名実ともに人気・実力の双方を兼ね揃えたという定義ができあがりました。その後の80年代の活躍は言うまでもありませんね。次のアルバム『Dancing On The Couch』は1987年にリリース。シングルが何枚か切られ、それなりの健闘を見せたが、地味な印象(もっと聴きこみが必要かも。)

そして本作『Indian Summer』に繋がる訳なのですが、前作と比較すると、よりメロウで生き生きとしているイメージが即座に持てるのではないでしょうか。外部ライター(Martin Page(!)(彼の最新作は要チェックですよ!)やJay Graydon)の良い影響プラス参加アーティスト(故Jeff PorcaroPeter Wolfなど)の間口の広さ、さらにはブラスセクションを大幅に導入し、煌びやかさを導入(そのアレンジをJerry Heyが担当している)していることが大きいのでしょう。ボビー・コールドウェルのカバーで『風のシルエット』、映画『プリティ・ウーマン』で大ヒットの『キング・オブ・ウィッシュフル・シンキング』の他、エネルギッシュなR&Bテイストの曲から70sのポップ・ソングをイメージしたような曲、ジャズのグルーブをポップテイスト溢れる楽曲に効果的に導入したような曲、GO WEST版『木漏れ日city music』、グランド・ビート調のサウンドを使った内省的な失恋ソング・・・・とまあヴァラエティに富んだ内容です。それが決して散漫にならず、ある種カチッと一つにまとまっているのもうれしいことこの上ないです。彼らの持ち味は何と言ってもその繊細で美しいメロディ・ライン。2人の表現力溢れる歌唱力がそれを十二分に支えているのは事実だし、それをどうアレンジしていくかということは確かに大切なことなのですが、例えば日本盤のみのボーナス・トラックである’Tears Too Late’は非常にシンプルなストレートなポップ・ソングなのですが、案外この辺が彼らの真骨頂であり、落とし所だったのかもしれません。(人によっては「もっとゴージャスに!」なんて意見もありましたから・・)

この後greatest albumのリリースを1993年にし、Smokey Robinsonの'Tracks Of My Tears'をリメイクし、top20チャートに送り込んでいます。Peter Coxはその後ロスへ移住、EMIから1994年にソロ・アルバムをリリースしています。(個人的には、なんとも地味なアルバム・・という印象)2006年にもソロをリリースしていますね。2001年にはThe Best of Go West - Live At The NECをリリース。これはバーミンガムでの1993年のラストライブの様子を録音したもの。'All Day, All Night' and 'Hangin' On For Dear Life'という彼らにとっては7年ぶりの新曲も同時収録されています。

そして2008年。最新作『futurenow』は彼らの5枚目のアルバム。1992年の『インディアン・サマー』以来ですから16年ぶりの復活作になります。Peter Cox とRichard Drummieが80年代、そして90年代初頭に見せていたロック、ポップ、R&Bのミックスされたオリジナルの形に戻ってきました。喜ばしい、喜ばしい。

◆HP: http://www.gowest.org.uk/
MYSPACE: http://www.myspace.com/officialgowest