DIMANCHE APRES-MIDI

【本日の一枚】

GILBERT LAFFAILLE / DIMANCHE APRES-MIDI (1991)


ジャケ買い」ってあるじゃないですか。実はこのアルバム、私、それなんです。。。。一見した所、何の変哲もないモノクロの写真なんですが、どこかおかしい・・というか・・私にはある種ヒプノシス的な香りがビビビっと漂ってくるんですよね。さらにモノクロの写真と上部のくすんだ青のコントラストがなんとも美しい。そんなところから手にしたアルバムなんです。

フランスの粋なインテリ(なんと父親は芸術鑑定士とか)、ジルベール・ラファイユの歌うフランス語は私は一切理解できません。(というか誰が歌っても分かんないんですが(笑))訳詩を読んでも、政治的・風刺的な意味合いや二重三重に絡み合う社会描写など勉強不足な私にはよく分からないです、ハイ。何となくアヴァンギャルドな香りが漂ってるな、程度にしか・・。やはり日本語とフランス語では伝わるものというのは変化するではないでしょうか・・なんてごまかしてみたりして。(笑)

彼に関しては、シンガー・ソングライター、ボサノバ歌手、シャンソン歌手といろいろな呼び名があるようですが、本作はそんな彼の77年以降の数枚の楽曲をまとめたベスト的編集盤。とにかく歌詞に重きを置いている人なので、本来の彼の意図している部分には到底近づくことができないのがヤルセナイ。とはいえ、「フランスのマイケル・フランクス」なんて言われ方もあるように、楽曲(メロディ)そのものにいかんともし難い魅力があり、かつとっつき易い構成が我々のような新参者に優しい感じがします。私的オススメは#1, 3, 5, 7といったボッサ調の曲や#9, 11のようなメロウな曲、あとはフレンチ・ブルーズ(!)の#13でしょうか。フランス語の響きがとても新鮮に響きます。(これって人によるんでしょうかねえ。HR/HMの世界ではフランス語は合わん!なんて声もありますから・・)

彼がインタビューなどでよく使う言葉にL' Air du Temps(時の香り?/流れる時間?/時代の空気?)というのがあります。曰く「音楽はレール・デュ・タンだ」とか。ニナリッチの香水じゃないんですが、何とも粋な香りのする言葉ですね。また、「僕は一生、反抗者でいたいと思う。年相応の理性を備えた反抗者に。」なんてことも言っています。40を目前にひかえ、心身ともに年々弱くなっていく自分と思わず比較してしまいましたが、こんな風に素敵に言葉を選び、堂々と自分の考えを胸をはって言える人間でありたいですね。