ENCOUNTER
寒かったり、暖かかったり・・・まだまだ天気も不安定です。
【本日の一枚】SING LIKE TALKING / ENCOUNTER(1993)
彼らの6枚目にあたるアルバム。私は彼らのアルバムに関しては後追い聴きだったんですが、このアルバムは特に聴きこんだアルバムの一つです。
「出会い」をテーマにしてるようなんですが、#2My Desire〜冬を越えて〜はTOTOのジェフ・ポーカロへの惜別の想いを込めた楽曲らしいです。デビュー・ライブのサポートをしてくれた縁のようですが、当時の訃報は事の外ショックだったと思います。当然この曲にはTOTOフレーバーが見え隠れしていますね。
彼らの歌のメロディには独特の展開があり、一発で「あっ、Sing Like Talkingだ」と分かるのが最大の特徴でしょう。コーラス・ワークに力が入ってくる5枚目「HUMANITY」以降は音の幅が広がり、「爽やかでアーバンな香りのするAOR」という範疇だけに収まらない懐の広さを見せてくれています。ちょうど、この「ENCOUNTER」が「拡散のターニング・ポイント」という見方も出来そうです。
私の場合、彼らに魅力を感じるのはメロディが一番なんですが、凄く繊細なイメージのある歌詞のメロディへの割り振り方も非常に独特で、最初はちょっととまどったものでした。収録曲の「離れずに暖めて」なんかは最たる例であり、例えば
叶える望みは
同じ場所にある筈
と
願う
その祈り
を
掲げたい
なんていう切り方に独自のセンスの良さを感じたりしています。
初めての方には「DISCOVERY」(8枚目)あたりをオススメしてるんですが、このアルバムからスタートするのもかなりオツな入り方ではないでしょうかね。
あの山下達郎さんが佐藤竹善さんに「凄く複雑なコードワークのアンサンブルを組むね」と言われたそうですが、当の本人さんは楽譜が読めず、頭の中にあるDOOBIEやAIRPLAY、TOTOなんかのコード感が見つかるまで探した果ての汲み上げだというのも凄い話だと思いません?
◆HP: http://www.singliketalking.jp
◆BOUNCE THE OCEAN / S.T.
◆L.A. PROJECT 2 / Peter Friestedt