HAUGTUSSA

Haugtussa

 【本日の一枚】はノルウェーを代表する実力派シンガー、リニ・テリークレム(LYNNI TREEKREM)HAUGTUSSA。96年。リニの出身はノルウェー西海岸のKRISTIANSUND(クリスチャンスン)という山々とフィヨルドに囲まれた人口一万七千人の小さな町。なんとこの町はあのDance With A StrangerのSingerとGuitaristの出身地でもあるらしい。この事実を後で知り、なんだかとても嬉しくなったことを覚えている。ノルウェーの詩人アルネ・ガルボルグが100年ほど前に書いた詩を元に作られたCDで聴く"ミュージカル"である。この作品で彼女はノルウェーグラミー賞に相当する「SPELLEMANN PRISEN」で最優秀女性歌手賞に輝いている。
 全編に渡り、静寂さ/神秘性/厳しさが一つのキーポイントとなっている。詩の内容はヤーレンという地方を舞台に四季の変化を通して人々の生活を描いている。聖歌、トラディッショナル・ソング、フォークソングがベースになっており、表現力豊かなリニの素晴らしいボーカルがその世界観をさらに助長している。どこか張り詰めたような緊張感も漂っているのだが、厳しい自然と共生しているその生活スタイルやその背景にある宗教観などが垣間見れる気がする。ノルウェー語は分からないが、とても美しい音/力を持った言葉である。