CLAZZ

【本日の一枚】

RAZZ / CLAZZ (1999)


"...a welcome relief from all of the smooth-jazznonsense...”

 RAZZというバンドをご存知だろうか?80年代にひっそりと登場していたCCM/FUSIONバンドの一つなのだが。ジャケットがモノクロでとても雰囲気があり、私個人のお気に入りでもあるのだが、音の方も一筋縄ではいかないものでして、美旋律+展開の妙とでも言えば良いのか、なぜ1枚のみのリリースで終わってしまったのかと常々考えるくらいのハイクオリティーな一枚である。
 そのRAZZ,実はバンドではなくPROJECTだったことを知った。コアなコレクター諸氏には当然のことでしょうがその流れで調べていくと何と99年にセカンドがリリースされていることが判明、今回入手したという訳。

 1983年Brian Sawyers と Todd Voelker により結成、カリフォルニア州オレンジカウンティーにおいてのRAZZの存在というのはlocalのミュージシャン達の意見や考え方を集め、試す場であったようだ。当初二人は町のあちこちで声がけをし、第1期RAZZが誕生することとなる。
 Brian Sawyers on keyboards
Todd Voelker on drums
 Troy Dexter on guitars
 John Holt and Ray Hurley on basses
 Troy Edmunston on saxes
 Chariya Keopke Bissonet on vocals.

このProjectのEngineerが始めたレーベルがCCM FANにはお馴染みのExile Recordであり、その第一弾に選ばれたことは彼らにとってはプラスに作用したのではなかろうか。当時はCCMシーンにおいてのジャズの受け皿なんてなかった訳だし・・。

MIDIなんかで全てやってしまうと音楽は心の底から湧き出る火花のようなものがなくなる。各プレーヤーからのインプットがなければそれは単なる別のコンテンポラリージャズ要素を持ったデータの流れになる。音楽に命を与えるのはそれぞれのプレイヤーの心とミュージシャンシップである」当時RAZZのレコーディングアプローチを尋ねられた際、Brianはこんな風に答えている。その言葉通りの温かい音が1stには詰まっていた。

さて、2枚目であるがProjectということで異なるミュージシャンが集合している。
Matthew Von Doran and Tom Bevan on guitars
Eric Stiller and Mahlon Hawk on basses/percussion
Brian Sawyers on keyboards/piano/percussion
Todd Voelker on drums
Albert Wing on EWI
Darrel Gardner and Matt Fronke on trumpets
John Grabb on trombone
Brian Williams and Tom Margitan on saxes.
さらにミキシング/レコーディングにGary Van Peltを起用、繊細な音作りで定評がある彼ならではの世界を構築している。
AOR FANには残念かもしれないが、Vocal Numberがゼロであり、1stに見られたような甘美な世界はなく、ひたすらFUSION的というかSMOOTH JAZZ的な音が続く。ミュージシャン同士の音での対話を重視したような作り方である。この手の音にも反応する方には猛烈にオススメ。私は1stの方が断然好き。まあ、もともとの指向がこちらな訳なので何とも言えないけど、少なくとも彼らはまだまだやる気のよう。





Razz: Clazz