Acid Country

また、地震・・・もういや。

【本日の一枚】

PAUL HEATON / Acid Country / (2010)

Acid Country

The 8th

 元BEAUTIFUL SOUTHの彼のSolo新作が知らぬ間に出ていたので購入。
BEAUTIFUL SOUTH と言えばイギリスの星であったバンドであり、メランコリックで瑞々しいメロディに乗せた思いっきり毒のある歌詞が印象的な素敵なバンドでもあった。
 さて、ここに到着した新作(といっても昨年のリリース)であるが・・・評判通りの音。PAUL HEATONが作ったものでなければ、「そこそこいいんじゃない?」なんて評価もありかもしれないが、ここにHOUSEMARTINS時代のJUMP POPのような勢いやBEAUTIFUL SOUTHのどこか曲がった危なっかしい美しさは感じられない。本人の気持とは逆に、どこまでも地味で直線的な楽曲は線が細く、正直魅力に欠けるように聴こえる。唯一#3“It’s A Young Man’s Game”には往年の意地が見え隠れしている気がするが。#5“Life Of A Cat”なんかもいい線いってるんだけど、何かが違う。ジャケットの絵のように現実と異国的感覚・郷愁・レトロ感なんかがごっちゃまぜになった感覚を、「イギリス」という国の描写にもっともっと生かしてもよかったのでは?まあ、それが今回のテーマではないだろうが・・。カントリー・ミュージックへの実直なまでの愛は感じられるし、歌詞にはアメリカ文学の影響が見え隠れしていて、楽しめないアルバムではないのだが、「変化」を期待するあまり、消化しきれていない感じ。
やはり名バンドや名DUOなどによく聞かれる「ケミストリー」というものの欠如なのだろうか?
Official Site: http://www.paulheatonmusic.co.uk/