Indian Summer

【本日の一枚】

Rick Rhodes / Indian Summer (1995)


Touch Of Heaven

 Indian Summerというと『小春日和』以前レビューしたGo Westやキーフのジャケットデザインで有名なプログレ・バンドの同名バンドが思い起こされますが、今回はMichael J. Foxの TV Comedy "Family Ties" (NBC Network) や "Guiding Light" (CBS Network)での仕事や、"Friends" (NBC), "Melrose Place" (Fox) そして "General Hospital"などといったTV番組への楽曲提供で有名なコンポーザーの2作目。
 
 さてこのアルバム、まず作曲クレジット&参加面子が凄い。参加アーティストとしては、Bill &Tamara Champlin夫妻の他、Sax奏者でAOR/Fusion FanにはおなじみのTom Scott、Dave Grusinの弟Don Grusin、2007年にお亡くなりになったJazz界の大御所でTenor Saxの名手Micheal Brecker、老舗Fusion BandのSpyroGyraのSax 奏者Jay Beckenstein、Tower of Powerでの活動やスムース・ジャズ・トランペッターの最高峰Rick Braunなどとの活動で知られるこれまたSax奏者Richard Elliot、Bobby Caldwellのバックミュージシャンでもあった遅咲きの名Sax奏者Boney Jamesなどが参加しています。それにしてもSax奏者の参加率が凄いですね。

 オープニングの#1“Unconditional Love”はホーンセクションとSaxの味付けが絶妙なPopでキャッチーな一曲。まさにオープニングにぴったりです。爽やかなRickの声にもドンピシャの楽曲です。

#2“Deep In The Night”の作曲クレジットには私の大好きなThe RippingtonsのギタリストRuss Freemanの名前があります。メロウで実に味わい深いAC的な楽曲。

#3“Hold Me”にはPatti Austinの名が作曲クレジットに見れます。彼女自身も『Ultimate Collection』の中で取り上げていますが、Rick Versionは何とTiffanyとのデュエット。サビのメロディの美しさは一聴の価値がありますし、そこから流れるような短いけどインパクトのあるTom ScottのSax Soloも素晴らしいの一言です。

#4“I ON U”ジャジーかつブルージーなトランペットが印象的。

#5“Eurotica”ではJay BeckensteinのSaxが堪能できるインスト曲。

#6“Hostage Of Love”はミドルテンポの豪快さを合わせ持つPop Rock寄りの楽曲。こんな楽曲にRickのTV番組への楽曲提供が何故に人気があるのかのヒントがありそうです。SaxはBoney James、力の篭った見事なプレイです。

#7はタイトル曲の“Indian Summer”。繊細なメロディが歌詞にもピッタリと合っています。どことなく寂しさを湛えたメロディは韓国ドラマにも合いそうな(?)アジア向き(おばちゃん向き?)メロディです。

#8“Here Comes Another Fool”は渋い魅力が詰まった楽曲。気だるさが全編を覆ってるんだけどもサビにはホンノリとした希望が見出せる、そんな曲です。

#9“King Of Hearts”のクロスオーバーぶりも見事。いろいろなエッセンスが凝縮されたような楽曲ですね。

ラストを飾る#10“Touch Of Heaven”はインスト曲。SaxはRichard Elliot。美しいピアノのメロディが描き出す叙情感とのコントラストが実に素晴らしい。まさにアルバムの最後を締めくくるような一曲です。

残念ながら2005年末にお亡くなりになっています。新譜(?)のリリース予定が脳腫瘍の手術後にあったようなので、物凄く残念に思います。

【到着】
◆Kris Lawrence / Moments Of Love・・・OPM。2007年Star Recordsよりデビュー、ファーストアルバムがミニアルバムだったため、フルアルバムのリリースが期待されていたKrisのフルアルバム。副題にThe Heart of R&Bとありますが、その内容はThe Heart of Love Songともいえるくらい美しいアレンジ、歌声があふれています。繊細なんだけども決してカヨワくはないある意味「堂々とした」声です。
◆Ara Muna / Mekeni O Jo "All Out Of Love"・・・OPM。オカマちゃん(バクラ)シンガーAra Munaの新作。Air Supply, Americaと70〜80年代を代表するポップグループの名曲をパンパンガ語、タガログ語で見事に蘇らせてくれています。同じリメイクでもこのようなリメイクは大歓迎ですね。
◆Ingmar Johansson / Sedish AOR Masterpiece from the 70s・・・彼が70sに残した2枚の傑作アルバムからのベスト。限定らしいですが、あるところにはまだまだありますよ。オークションにもチラホラと出ているようですが・・。
◆Laurence Archer / LA・・・奇跡のコレクターズ再発。感謝。
などなど