In The Air

【本日の一枚】

In The Air / S.T. (1999)


〜爽やかさと優しさに包まれて〜

 日本人によるAORプロジェクトで正直、ここまで心を揺さぶられたのは初めてでした。そして、こんな素敵な音に約10年も気づかずにいたことに歯痒い思いを感じております。
塩見 暁俊さん(Vo,G,B,Key)、田島 謙一さん(G,Cho,Prog)の二人が中心となったプロジェクトの唯一の作品。
 全編英語詩で統一しており、音を知らないAOR-FANの人が聞いたら、「これだれ?」的な反応になるのは間違いないと思います。
 とにかく「これぞAOR!」という心のツボを擽る・・・いや畳み掛けるようにフックを連打されるような、そんな楽曲群に冒頭からノックダウンのおらっちであります。
 まず静かな波の音から始まるとは・・・最近ではない・・展開ですよね(笑)。そしてグレイドンばりのギターが印象的なまさにAORの王道的な一曲#1“Love Don’t Hurt You”。David Pack風のメロディを意識したというAメロもさることながら、後半のGUITAR SOLOに入る前の一工夫がとても新鮮です。メロディもGood!Guitarもねばっこいいい音だしてますねえ〜。そしてミディアム・バラード#2“Melody”へ。展開が美しく、そしてマニアック(笑)。うれしいですねえ、こういう曲が「オリジナル曲」として聴けるのは。#3“Time To Rise”はややブルージーなナンバー。チャック・レイニーなんかと比較していいかは分かりませんが、(笑)ベース・ラインが魅力的ですね。#4“It Was The Night”はMichael McDonaldの“I Keep Forgetting”とBobby Caldwellの“What You Won’t Do For Love”を足して2で割ったものを作りたかったそう。都会の夜の雰囲気を醸しだすAORの一側面がよく表現されてますね。ホーンセクションとテンポのせいかどちらかというとBobby的な側面が多く見受けられる気がします。#5“Smile”は私のお気に入りの一つ。ツイン・リードのイントロからAメロへの流れが絶品!「そう来たか!?」的サウンドでした。またサビのハーモニーもある意味穏やかでGoodです。コイノニアを意識したというサウンドは私好みですよ。#6“Never Look Down”はドライブに最適なアップテンポのAOR SONG。どこまでも続く海岸線をイメージさせてくれるような爽やかさ一杯の曲。オーケストレーションがもっと前面に出るとまた一味違った感じになりそう。3連のリズムとホーンセクションの絡みが王道を感じさせる#7“I Saw You”。さらにそれに絡みつくギターに色気を感じますね。古いんだけども、でも何か新しさを感じさせてくれる(探そうという気にさせる)構成は見事です。そして締めの#8“Words Of Love”は、しっとりとしたVo.を中心に回る楽曲のクオリティにほとんど廃人状態です。バラードで締めるとは何とも「らしい」というか、ニクイ演出ですね。SAXなんかが後半に絡んできたら、さらに効果的かもしれません。

という全8曲。聴き応え十分です。最後に波の音が再び入り、夏の日を締めくくるかのようなエンディングを演出しております。残念ながら現在はIn The Air としての活動予定はないとのこと。現在の機器での「2枚目」に期待したいです。
今回より田島さんのBlog、そしてIn The Air のHPへのリンクを貼らせていただけることになりましたので、みなさんもぜひ遊びに行ってみてください。田島さん、塩見さん、いろいろとお手数をおかけいたしました!今後ともよろしくお願いいたします!

◆Blog:「主審のひとり言」・・・ http://blog.goo.ne.jp/jgraydon
◆In The Air ・・・ http://intheair.iinaa.net


【到着】
◆Motoyoshi Iwasaki / Summery
◆Archie Cavanaugh / Love Birds
◆Colbie Caillat / Coco (Deluxe Edition)
◆Moritz / City Streets
東北新幹線 / THRU TRAFFIC など