Like A Brother

 どうも。仕事がちょっとだけ谷間のおらっちです。なぜかというと、おとといが締め切りであり、それを引き継いで私がまとめる手順になってる仕事があるんですが、他の方からのデータが上がってこないので遅々として進まないからなんです。うちの職場、マイペース型の方が非常に多いのです、ハイ。
 そもそもマイペースというのは非常に定義しづらいなあと、つい先日も友人と話しをしていたばかり。友人曰く、「マイペースにもレベルがある」とのこと。その人のどんな点を挙げて「マイペース」という単語を使用しているかがポイントなのだそうです。
 確かに、例えば一つの取るに足らないことがあって、その根本に関わることがその人のいわゆる「マイペース」のために進まない場合は、マイナスイメージで使用されるだろうし、芸術家なんかのマイペースの場合はちょっと違う観点において使用されそうですが。
 ただ、どちらの場合も「スロー」な動き・動作を指して「使用」しているのは「マイペース」の定義に「スロー」ということがあるからなのでしょうか?

 まあ、それはさておき・・・
 家にいると、ちょっとした瞬間に春を感じる風が部屋に舞い込んできます。まだまだ肌寒いですが、心地良い日差しの元、なんとなくリラックスできているのは、「マイペース」な方のおかげかも?(笑)「春の海」ではないが、それこそひねもすのたりのたりかなです。良し!
 こんな日の一枚として・・・
 
【本日の一枚】Beckley-Lamm-Wilson / Like A Brother (2000)
BECKLEY LAMM WILSON: Like A Brother
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 アメリカのGerry Beckley、シカゴのRobert LammビーチボーイズCarl Wilsonという3人が集まって結成した、最初にして最後のアルバム。というのも本作の発売前にCarl Wilsonは亡くなってしまったからだ。なんとも凄い面子のこの続きが聴けないのは残念なのだが、そういった背景もこのアルバムを私の中で神格化(そんな大げさじゃないか・・)させている要因なのかも。
 John Waiteのクレジットのある“Today”は曲のどの部分をとってもメロディの完成度が高いAOR SONG。Robert Rammの魅力を存分に引き出している“Feel The Spirit”は力強くも儚さを内に秘めたような楽曲。サビメロではLamm独特のオリジナリティが感じられる。Carl Wilsonの伸びやかなヴォーカルが堪能できる“I Wish For You”はとても心地良いバラード。ストリングスを導入したヴァージョンが聴きたいと思ったのは私だけかな?“Run Don’t Walk”もCarlのVo.だが、Robert Lammが歌ったら面白かった(いや、あえて外したのかな・・)気が。サビにおけるブラスセクションが粋である。一方、Gerry BeckleyがVo.の“Watching The Fire”ではバックのセンス溢れる演奏にぜひ耳を傾けたい。もちろんメロディは叙情的でGOODである。
 “Life in Motion”を聴いていて思ったのは、Robert Lammというアーティストのソングライティングについてである。彼が作る楽曲の魅力というのは「ブリッジの力強さ」にあるように思える。多少強引(!?)とも言える構成が彼の声質にもしっくりとマッチしているように思える。
 “Sheltering Sky”を聴きながら思ったGerry Beckleyのソングライティングは、どこか牧歌的で繊細な女性的イメージが付き纏う。Vo.メロディに力点が置かれ、3人のコンビネーションがしっかりと考えられている。プロジェクト内での楽曲という位置づけを考えると、彼の作る楽曲が一番理にかなっているのかも。
 “They’re Only Words”や“Like A Brother”を聴いていて考えたCarlの楽曲は、自らが歌うことを念頭に置いているからか、伸びやかでかつゆったりさを持ったメロディが印象的である。どことなく80s的な香りが漂うのも個人的には良い印象を加える。全体的にせつなさを湛えたものよりも爽やかさ、温かさを重視したような展開が耳にせまる。
 このアルバムにはHarry Nilssonのカヴァーである“Without Her”が収録されてもいるのだが、アーバンな魅力あふれる好アレンジ。原曲はもっと軽やかなのだが、重厚な雰囲気をプラスすることで原曲のクールなイメージを壊さないようにしている。さらにコーラスワークが功を奏し原曲にないキャッチーさが生み出されていることもプラス。
その他3曲のボートラが収録されている。
 ソングライティングの多くには、あのVanessa Williamsの名曲「Save The Best For Last」の作者の一人である、Phil Galdstonが関わっている。Save The Best For Lastと言えば思い出されるのはこんなフレーズ・・。

Sometimes the very thing youre looking for
Is the one thing you cant see

Sometimes the snow comes down in june
Sometimes the sun goes round the moon
Just when I thought our chance had passed
You go and save the best for last

 「最後」の瞬間のために「最高」をつくした作品、そんなことをふと思ったりもしました。飛び抜けた「名曲」=シングルヒット間違いなし!という風潮の中にはないのだが、そこには確かに「確実な」良質のAORが存在しています。3人のソングライター達がそれぞれの力を存分に引き出した「大人の魅力」溢れる楽曲・・・それにしばし浸っていたい・・そんな気分です。

◆Robert Lamm HP: http://www.robertlamm.org
◆Gerry Beckley HP: http://www.gerrybeckley.com

【到着】

PHILIP GLASS GLASSWORKS・・・82年。グラスにとってのメジャー・デビュー・アルバム。単純なリズム・パターンの反復と、それを支える単純な和声進行という、いわゆる「グラス・スタイル」が凝縮された6曲が収められている。単純だけど奥深い作品。飲み込まれそうになります。今回入手したのはオーストリア盤の原盤。250円なり。
◆STEP AHEAD / S.T.・・・MUSEAより。なんと250円で落ちていた。フランスのプログレ・バンド。YESを思わせるような曲調だけではなく、スティーブ・ハケットのSOLOのような叙情性も持ち合わせた好盤。凄く繊細なシンフォニック・ロックというイメージか。
◆CHRIS DE BURGH / NOTES FROM PLANET EARTH・・・これも250円。アイルランド出身。甘いメロディが印象的。これは掘り出し物かも。
◆DAVID POMERANZ / THE TRUTH OF US・・・やっと購入。「なんとなくクリスタル」な世界。じっくりと聴きたい一枚。
◆CAMERA OBSCURA / UNDER ACHIEVERS PLEASE TRY HARDER・・・250円。びっくりしましたわ。ベルセバのフォロワーなんて言われてますが、完全に独立した音ですね、これ。とても気に入りました。
◆JEFF JARSON / FRAGILE SUNRISE・・・サンフランシスコ出身のSSWの3枚目。JEFFREY FOSKETTつながりで。TIMOTHY B. SCHMITも参加、素晴らしいコーラスを披露している。なんとGerry Beckleyも参加している。ちょっと新しい感覚のウェストコーストサウンド。美しいメロディ、心地良いヴォーカル、爽快なハーモニーであることは言うまでもありませんが。
FATE / CRUSIN’ FOR A BRUISIN’・・・今更ながら。このキーボードとギターのコンビネーションは絶品ですね。一つのメロディアス・ハードの完成形がここにあります。
◆MYLON & BROKEN HEART / Crank It Up
・・・CCM/HARD POP。こちらもようやく原盤にて。
◆ROSANNNA’S RAIDERS / FIRE FROM HEAVEN THE COLLECTIVE WORKS・・・オーストラリアのCCM/HARD ROCK BANDの3枚のアルバムを2枚に収めたもの。仰々しいジャケットが素敵(笑)です。
◆PASSION / THE BEGINNING 1990/1991
◆PASSION / LOADED GUN
◆EVENRUDE / ONE SIDE FITS ALL
◆CRAIG FULLER /ERIC KAZ/ S.T.・・・・スティーブ・ルカサー、J.D.サウザーマイケル・マクドナルド等が参加。隠れたウエストコーストサウンドの名盤。ERIC KAZのレコーディング・アーティストとしての最後の作品でしょうか?
◆STELLA MARIS / THE OPEN GATE・・・前に3を聴いたんだけども、全然イメージが違いますね。完全に様式美サウンド。プロデュースがCHRIS TANGARIDISだし。これはこれでよい。
などなど