Jenny

 こうして一週間ごとのBlog記事を眺めていると何だか週刊Blogになってしまったような気がするのだが、意図的にそうしている訳ではない。書くに値する(と個人的に思う)アーティストがいなかったり、いたとしてもまだ自分の中で煮詰めたりする必要があったりで、無意識ではあるのだが、こんな朝早くに書いたりすることになっている。昨日、紹介することを忘れていたあるアーティストのHPに行ってみたところ、なんと来月頭にシングルが切られることになっていた。アルバムが出たことも知らず、ついぞ「どうしてるのかなあ?」と思うだけでチェックしていなかった自分を恨む。しかも今回のシングルは昨年(!)出ていた2枚(!)のアルバムからのシングル・カットではなく、先行シングル的なものらしい。改めて後日紹介したい。日本人です、ハイ。

 【この曲気に入りました!】
Modern Minds and Pastimes
The Click Five / Jenny (2007)
 6月にAtlanticから新譜が出たばかりのBOSTONベースのPOP BAND。甘酸っぱいなつかしさと今風の感覚が絶妙な割合で混じり合っている「新旧混合POP」の王道を行く、POP SONGがコレ。アルバム"Modern Minds And Pastimes"のジャケットも60sしてるし。ジェリーフィッシュほどねじれていないが、アプローチの仕方には共通点もあるのかな?スッと通らない流れの中にある種の「素直さ」が同居している感覚。イギリスものが古さを感じさせる訳ではないが、カッチリした「何か」を持っていることは同時代の英米バンドを比較すれば自ずと感じること。彼等の音にはイギリスがしっかりと息づいている。

◆HP: http://www.theclickfive.com
MYSPACE: http://www.myspace.com/theclick5

【追記】
追憶のかけら
貫井徳郎「追憶のかけら」読了。・・・読ませるね、この人。最近はまりっ放しです。
 戦後まもなく自殺した作家の未発表手記がある大学講師の元へ持ち込まれる。そこに秘められた「謎」とは――。最愛の妻を偶発的事故で亡くした主人公は自分の愚かさを恥じ、同時に種々のことにどう行動すればいいのか悩み続ける。何も深く考えずに行ったことが、他人から見ると最悪のケースを引き起こすこと、またさらには相手のためを思ってしたことが相手の人生を狂わせている場合があることを無名作家の人生と主人公の人生をリンクさせることによって巧みに描いている。「人を信じる」ということがいかに難しいことか、読みながら誰も信じられなくなっている自分に気づきながら、それでもある意味「純粋」に人を信じる気持を行動の基盤にしていた主人公に弱さと強さの両面を見ることができた。前半〜中盤の手記原稿が終わったあたりから加速して読め、当然止まらなくなる。後半の二転三転する状況には、複雑さはあまり感じなかったのだが、最終的に主人公を陥れていた人物の理由というのが、第三者から見たときにはそれこそ「取るに足らないこと」の範疇であることだったことを考えると、その結論が前提としてあったがための試行錯誤の結果なのかななんても考えてみたり・・。でも結局主人公にとっての「山崎」ってどんな存在だったんだろう?彼の存在が個人的には整理がつかない人物。ラストは貫井さんらしい終わり方で、不覚にもちょっとグッと来た。「さよならの代わりに」も読後の爽快感があったのですが、こちらも負けてはいない。ミステリーとしては当然のことながら、人の生き方、人との関わり方をも考えさせられる名著。

【到着】
◆Crowded House / Time on Earth
OCEANLANE / Walk Along(DVD付) などなど。