Classic

【本日の一枚】

Adrian Gurvitz / Classic (1982/2000)

8歳からギターを始めたと言う彼、60年代末から兄ポールと共にブリティッシュ・ロック界で高い評価を得、The Gun、The Buddy Miles Express、Three Man Army、The Graeme Edge Band(The Moody BluesのGraeme Edgeのバンド)そしてThe Baker Gurvitz Armyを結成しました。そんな彼が、TOTO結成後間もないデヴィッド・ペイチジェフ・ポーカロを始めとしたLAのミュージシャン達と制作した1stソロ・アルバムをJETレーベルに残したのは1979年。その後、同路線の2枚目を残し、JETレーベルを去ります。

その後セルフ・プロデュースという形でリリースされたのが、こちらの名盤『Classic』。現在入手困難ということで、先日フランスへ出張に行った同僚にお願いしようかなと思っていたリストにも入っていたんですが、(なんせフランス盤ですからねえ、リマスター盤。単純に国だけ考え・・・)偶然Cruisin’ Musicさんで少数入荷のお知らせが!ということで現在無事に手元に届いております。私の手元にあるのはデジパック仕様のものです。

名バラード#5“Classic”をはじめ、メロウ/ポップなだけではない、一種独特な雰囲気を持つ楽曲群はなかなかのクオリティを保っています。Cruisin’さんの説明にもある、「ややGEB時代に針を戻した感じのブルース・スプリングスティーン・ミーツ・AOR」といった趣が感じられるエレポップ風#1“No Fear In The Light”(名曲“Thunder Road”,“Badlands”なんかを彷彿させるような展開が・・)をはじめ、劇的なサビが印象的な#2“Living Ain’t Easy Without You”(歌詞はありがちなものですが(笑))、ググッとツボを押すようなハーモニーとキーボード・リフが80sを存分に感じさせる#6“Breakdown”(一瞬ある有名女性J-POP Artistの楽曲を思い出しました)など、素材としてのピアノやアクースティック・ギターを存分に使用し、それによって空間的な幅を引き出しているのは、この手の音には非常にプラスに作用しています。惜しむらくはSAXがあまり効果的でないことぐらいかな。兄ポールもベースと一部ヴォーカルで参加しています。

リマスター音源というのは音像がはっきりする分、それが良いベクトルに働く場合と「あ〜っ!そんなに・・・」というように悪い場合の双方が感じられる仕上がりになっている時ってありますよね。そこがリマスタリングをする際の一番のポイントのような気がします。80sを含めそれ以前の音もどんどんリマスター音源として世に出ている今、オリジナルの持つ雰囲気・良さを損なわないような音処理がもっと必要。このアルバムはその点、及第点をあげてもいいのではないでしょうか?

◆Cruisin' Music さん:http://hwm7.gyao.ne.jp/cruisinmusic
◆HP: http://web.mac.com/singndance/iWeb/Adrian%20Gurvitz%20Portfolio/AdrianGurvitz.com.html

【到着&購入】
◆Graham Nash / Earth & Sky
◆SPINA & SULLIVAN / 12 By 8 By 2 ・・・以上2つもCruisin' Musicさんにて。
◆Randy Newman / Trouble in Paradise
◆Corrinne May / Fly Away
Neon Cross / Torn
◆The Zombies / The Singles Collection
など